食料危機と日本の評価
日本のマスコミは内向き志向で、海外での日本の評価を載せません。海外に出ている特派員さん達は努力していろいろな記事を書いているのですが、日本のデスクが記事を載せない傾向にあります。私自身がアジアで仕事をしている時には、その落差が実感できましたが、今は、和歌山で政治活動をしていますので、感度が悪くなってきました。それでも、時々、ニューヨークタイムスのホームページなどをのぞくと、びっくりすることがたくさんあります。
今年になって、タイ産のお米が暴騰し、フィリピンなどでお米が手に入らなくなり、暴動が起きそうになりました。その際に、たとえばアメリカ国内では激しい日本批判が起きていました。
「ミニマムアクセス米」という制度があります。「ミニマムアクセス米」は世界貿易機関(WTO)の交渉で、日本市場の開放を求められたのを受け、輸入するようになりました。政府が商社を通じて関税をかけずに輸入しています。日本は年間にアメリカやタイなどから約80万トン輸入しています。このうちアメリカ産米は約4割を占めています。
このお米を日本ではフィリピンに売るどころか、家畜のエサなどにしているため、「日本は人道的ではない国」としてアメリカ国内では大ブーイングでした。しびれを切らしたアメリカ政府から、「ミニマムアクセス米を日本で食べなくてもよいから、フィリピン政府に売ってあげてもけっこうですよ。」と宣告されたのです。
本来、日本政府が「フィリピンに売りたいが、どうでしょうか?」とアメリカ政府に要請するのが筋です。あまりにも日本政府への風当たりが強いので、ようやく「ミニマムアクセス米」を使った援助の拡大を検討すると日本政府は発表。
それでも、ローマで開催される食料サミットのアメリカ主催の昼食会に日本政府は欠席します。なぜなら、その場で、ミニマムアクセス米によるフィリピンへの援助を約束させられないようにという配慮からです。フィリピン政府は「援助でなくてけっこうです。市場価格で買いますよ。」と言っているのにもかかわらずです。こんなところにも、官僚主導政治の情けなさが出ています。今や、世界中で「日本政府は人道的でない」と「もの笑いの種」にされてます。しかも、日本のマスコミはそのことを国民に伝えようとしないのです。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。