財務金融委員会での初質問
(財務金融委員会での質問風景です。衆議院第15委員室)
今日、午前9時から30分間、財務金融委員会で、菅財務大臣に質問をしました。
質問の内容は以下の通りです。
(1)グローバル化に対応できる税制として法人税の引き下げが必要。
今は、「担税力の高い者ほど納税する場所を自ら選択できる」わけです。法人税の実効税率が40%を超え、アジアの中では群を抜いて高いのですが、多国籍企業は外国で所得を発生させて、納税することで、実行税率を結果として低くすることが可能です。
また、タックスへブン税制の税率を変更しなければいけないくらいアジアの諸国は法人税を下げています。中国が25%、韓国は24%です。
今回、租税特別措置に関して、そうとう頑張って、見直しをしていただいていますが、さらに、「課税ベースを拡大」し、「成長戦略との整合性や企業の国際的な競争力の維持・向上、国際的な協調などを勘案しつつ、法人税率を見直して」いただきたいのですが、大臣の所見を問います。
(2)「中期財政フレーム」が必要。
中期財政フレームは単なる「見通し」ではダメ。今、成功事例と言われているのは、3年間の歳出総額に上限を設定するスウェーデン方式、3年間の裁量的支出を固定する英国方式、4年間の将来見通しによる歳出抑制を行うオーストラリア・NZ方式など。
政治主導により歳出をコントロールするには、予算の上積みを狙う各省庁の斬新主義的行動を排除する強い政治的な意志が必要。そのために、財政運営についての政治的コミットメントを明確にし、透明性を向上させ、財政ルールの違反の政治的コストを高めなければならない。
「ほんまもんの中期財政フレーム」が成り立つためには、いくつかの条件が必要です。
? 複数年にわたり、支出を拘束する
? 慎重な成長率
? 予算を包括的に対象
? 過去の推計と実績の乖離を分析
? 新年度予算と同時に発表
? 半年毎に改定し、新旧の相違を説明(ベースライン)
菅大臣が目標にする英国では、過去の推計と実績の乖離については「Reconciliation Table」と呼ばれる分析が導入されている。また、英国の中期財政フレームで使われる潜在成長率は、政府の経済見通しで使われるものより、低い数字が使われています。
過去のフレームで、楽観的な経済成長を前提に、税収を過大に見積もり、財出の増加を許した反省がそこにはあります。ですから、新成長戦略の名目3%の成長率をそのまま使うことがあってはいけないわけです。
なお、今でも財務省の「後年度影響試算」という中期財政フレームはあります。しかし、それには、わざわざ将来の支出は拘束しないと、注書きされています。それでは、真のフレームにはなりません。
2002年1月の「改革と展望」から、2007年1月の「進路と戦略」などが内閣府から出されましたが、これらは、世界標準の中期財政フレームとは言えません。単なる「見通し」に過ぎず、政府のコミットメント、政治的意志もありません。また、推計と実績の分析も、その説明もありませんでした。
財務大臣として、上記の前提が成り立つホンモノのフレームを導入する覚悟があるのか、お尋ねします。先進国で、財政健全化の戦略がないのは日本だけです。6月までに、ほんとうに財政戦略をつくる意思があるのか確認します。
他にも政府調達の適正化や予算閣僚委員会での決定などを聞きましたが、菅財務大臣には、ていねいな答弁をいただきました。ありがとうございました。
私たちのために。
私たちの子どもたちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。