2024年4月30日
失敗は成功の基 カイロスロケット初号機打上げ
3月13日午前11時01分、カイロスロケットが打上げられました。コロナ禍の影響で部品供給がとどこおり、4回の延期。3月9日の打上げは警戒海域への船舶侵入で延期。待ちに待った打上げです。
しかし、打上げ後5秒で、何らかのトラブルが発生し自動的に飛行中断措置が実施されました。その結果、機体は爆破されましたが人的被害はなく、火災も速やかに鎮火。
民間単独での衛星打上げは日本では初めての挑戦ですからハードルは高いです。イーロン・マスク氏のスペースXも初号機の打上げは失敗しています。日本では、一度でも失敗すると評価が下がるため、多くの人が果敢な挑戦を避ける傾向があるように思います。
一方、アメリカでは、失敗は付加価値になります。ベンチャー企業も一度や二度失敗している方が集まる資金が多くなります。挑戦する勇気と失敗の経験が評価されるのです。
私も試験に落ちたり、落選した経験があります。その時はたいへんでも、今思えば勉強になることばかりでした。
今後、人口の減少が避けられない日本では、若者たちが失敗を恐れず挑戦し、どんどん起業することで経済の活性化をはかるほかありません。
その意味でも、スペースワン社の皆さんには、徹底した原因究明をして次回の打上げに挑戦いただき、和歌山の若者に模範を示していただきたいと思います。
今後、小型衛星打ち上げの需要が伸びるため、スペースワン社は2030年代には年間30回の打上げを目指しています。実現すれば、紀南地域がロケット産業の一大集積地になる可能性が出てきます。
和歌山県は民間単独での衛星打上げという夢のある挑戦を引き続き応援していきます。