対総理質問の続き―財政責任法について
財政再建に関する質問の中で、「財政責任法」の必要性も主張しました。
これまで、日本の財政再建は、バブル期の税の増収によって達成された特例公債脱却目標以外、いずれも失敗しています。
理由はいろいろとありますが、第一に景気の動向をきちっと踏まえながら財政再建を進めるという枠組みがなかったからだと私は考えています。
あの支持率の高かった小泉元総理も、「歳出歳入一体改革」では、財政再建に向けた枠組みをつくることができませんでした。
だから、景気の悪化とともに、目標はすぐに破たんしました。それでは、どうすればよいのか。
その1つのアイディアが、「財政責任法」です。皆さんご承知のように、自民党は財政責任法を提案していました。その具体的な中身はともかく、基本的なアイディアは、政府与党も勉強する必要があります。
財政責任法を最初に導入したのは、ニュージーランドです。
1994年に導入されましたが、それ以後、ニュージーランドはほぼ財政黒字を維持しています。私は、この財政責任法の核心は、政府自ら目標を定め、半年毎に実際の財政運営が目標どおりにいっているかを、政府自らが検証することにあると思っています。
ニュージーランドは、政府部門でも発生主義会計が導入されており、日本のように、会計上の操作によって、財政赤字を調整することは難しい状況です。端的にいって、日本よりはるかに財政の透明性が高いといえます。
ニュージーランドでも、景気が悪化した際に、借金をすることができます。しかし、その場合、財務大臣は、もともとの財政目標にどうやって戻るか、例えば、増税や歳出削減で戻るといったことを予め説明しないと、景気対策はできません。それは、安易に将来世代に負担を転嫁することを戒めるためです。
このような前提をお示しした上で、総理には「震災対策などで当面歳出が増えるとすれば、まさに、責任ある財政運営が求められているわけで、この財政責任法の導入を検討すべきだと思うのですが、いかがですか?」と聞かせていただきました。
総理からは、「衆参がねじれている国会情勢では、与野党が十分に話し合い、議論することが求められている。野党から財政再建に向けた提案が出ているのであれば、政権運営に責任をもつ政府も、この問題を真摯に検討する必要がある。」との前向きな答弁をいただきました。
今月末にも予定されている、次の代表選挙では、財政責任法の導入など財政運営に責任を持つ考えの代表を選んでいくべきだと考えます。