ひとり親家庭の貧困問題
今、民主党の非正規雇用対策本部の事務局をあずかり、正面から非正規問題に取り組んでいます。
「非正規雇用から正規雇用へ」との政策だけではなく、非正規雇用労働者の労働条件を「同一労働・同一価値・同一賃金」の原則の下、EU並みに引き上げることも重要だと考えています。
そんな中で、今日、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長をお招きしてヒアリングをしました。
「ひとり親の現状と非正規雇用 もう、がんばれない・・・・」と題して、深刻な現状をお聞きしました。
日本のひとり親の貧困率はOECD24か国中23位という事態に政治家として責任を痛感しました。
現在、就業している母子世帯の母の年間平均収入はパート・アルバイトで125万円。このことが子どもの貧困の連鎖につながっています。
最近、NHKスペシャルなどでも「女性の貧困」特集が放映され、社会の影の部分が大きくなっていることが認識されるようになってきました。シングルマザーの8割以上が働いているにもかかわらず、就労収入は平均で181万円で、ダブルワーク、トリプルワークも多い現状です。
ひとり親の命綱は「児童扶養手当」ですが、年収130万円まで月額4万1020円(全部支給)。年収で365万円を上限に減算されます。
第2子の加算が5000円、第3子で3000円ですが、貧困を防止するためには、第2子、第3子の加算を抜本的に増やすべきです。
現在の仕組みでも、貧困率を13.7ポイント削減できています。それでもOECD諸国の中でワースト2というのは恥ずべき数字です。
赤石さんからは、現行の「高等技能訓練促進費制度」の充実維持、中卒資格しかないひとり親への高卒資格取得支援、病児保育などの子育て支援の充実などの政策提案がありました。
非正規問題に取り組み、ひとり親家庭の貧困問題を解決することが政治家としての私のたいせつな仕事だと肝に銘じました。
興味のある方は、赤石さんの近著「ひとり親家庭(岩波新書)」、ぜひお読みください。
【注】高等技能訓練促進費等事業
(1) 概要
母子家庭の母又は父子家庭の父が看護師や介護福祉士等の資格取得のため、2年以上養成機関で修業する場合に、修業期間中の生活の負担軽減のために、高等技能訓練促進費(月10万円)が支給されるとともに、入学時の負担軽減のため、入学支援修了一時金(5万円)が支給されます。
(2) 対象者
母子家庭の母又は父子家庭の父であって、現に児童(20歳に満たない者)を扶養し、以下の要件を全て満たす方 ○ 児童扶養手当の支給を受けているか又は同様の所得水準にあること
○ 養成機関において2年以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれること
○ 仕事または育児と修業の両立が困難であること