民主党の党大会―ハウステンボス澤田秀雄社長講演
(民主党の党大会で基調講演をするハウステンボス社長の澤田秀雄さん。)
2月8日(土)、9日(日)の二日間、福島県郡山市で民主党の党大会が開催されました。
東日本大震災の復興、特に原子力発電所の被害を受けた福島の復興が最重要な課題であるとの思いで、今年の党大会は福島の地が選ばれました。
初日の土曜日は、憲法調査会など6基本調査会と福島復興委員会を中心に勉強会が持たれ、夜はハウステンボス社長の澤田秀雄さんの基調講演を聞きました。
翌日曜日は、従来通りの党大会が開催されました。
澤田社長は、旅行会社のH.I.Sの創業者(現会長)で、有名な起業家ですが、企業再生の名人でもあります。18年間、赤字続きのハウステンボスをあっという間に黒字転換し、長崎県の雇用の活性化に貢献されました。
企業再生と政党の再生とは同じものではないでしょうが、澤田社長のお話は大いに参考になりました。
私は、10数年来、勉強会を通じて澤田社長に親しくご指導をいただいており、昨年もハウステンボスに澤田社長を訪ねたばかりでしたが、正面切ってハウステンボスの再生話を聞いたのは初めてで、感動しました。
18年間赤字続きでボーナスも出ない会社の社員は、いわば負け癖がついていたのだそうです。
そこで、澤田社長は社員の皆さんに三つだけお願いをしたとのこと。
まず、「始業前の15分間で良いので、掃除をしてください。私も掃除します。」とおっしゃった。これまでの経験で、良い会社はすべてきれいだという確信があったそうです。
次は、業績が落ち込み失敗が続くと、どうしても暗くなって自信を無くし、最悪の循環になってしまうので、「ウソでも良いから、明るく元気に!」してくださいと。
最後は、「2割経費をカットして、2割売り上げを増やしましょう。」と。
ハウステンボスは、過剰設備投資だったので、敷地の3分の1をフリーゾーンにして、お金の取れる場所を小さくして効率を高めたそうです。社員さんで経費カットに貢献できない方には、「園内では、少し早く歩いてください。」とお願い。敷地が広いので、早く歩くだけで経費節減になります。
売り上げ増は、まず「花の王国―百万本のバラ園」と、冬は「光の王国ー世界一のイルミネーション」で、オンリー1、ナンバー1戦略。入場者はすぐに1.5倍に。
確かに、オンリー1戦略やナンバー1戦略、さらには、「ウソでも良いから、明るく元気に!」は、政党の再生にも使えるかもしれません。
しかし、感動したのは、澤田社長の誠実なお人柄や生来の明るさが伝わってきたことです。話しの中身もさることながら、リーダーとしての人間力が再生のキーポイントだなと理解しました。
リーダーも重要ですが、フォロワーがリーダーを育てる部分もあるでしょうから、党大会の基調講演としては意義深いものでした。