地域の幸福を考える―都道府県幸福度ランキング
寺島実郎日本総研理事長が司会をする「地域の幸福を考える」シンポジウムに参加しました。
パネラーは山田啓二京都府知事と上田清司埼玉県知事のお二人。
最近出版された「47都道府県幸福度ランキング」を基に、「幸福とは何か」について、真剣な議論が行われました。私にとっては、和歌山県のランキングが、気になりましたが、、、、苦笑。
このランキングは、日本総合研究所と日本ユニシス総合技術研究所が、昨年から始めたもので、幸福度を客観的な指標で表す挑戦です。
基本、健康、文化、仕事、生活、教育の6分野で合計60の指標を作っています。
ブータンは前の国王が、GDPを高めることではなく、国民の幸福度を高めることを政策課題にしました。
貧しくとも、幸福度の高いブータンは一つの国のあり方だと思います。
一方で、価値観が多様化し、経済も成熟している日本の場合、何を持って幸福度の指標にするのかは、いろんな意見がありえます。
しかし、60の指標を基に、おおまかに眺めると、確かにそれぞれの地域の特色も浮かび上がりますし、今後の行政の参考になることは明らかです。
私のふるさと和歌山県は、総合ランキングでは41位でした。
県民一人当たりホームヘルパー数は1位。産科、産婦人科医指数は10位なので、医療・福祉分野では2位になっています。一方、健康診査受診率は45位、平均寿命は43位と残念な数字です。
持家比率は6位ですが、汚水処理普及率と道路整備率は46位。一人暮らしの高齢者率も39位で、生活面の指標は45位です。
教員一人当たり生徒数は10位ですが、不登校児童生徒率は46位、学力は39位、書籍購入額は47位。トータルの教育の指標は40位となっています。
これからの和歌山県の課題が浮かび上がっています。これを克服するために県民一体となって努力していけばよいと思います。
その一方で、NPO認証数は8位ですし、地縁団体数も13位。製造業労働生産性は3位の上、障がい者雇用率は12位です。
和歌山県ならではの、良い特色には誇りを持っていいのではないでしょうか。
何はともあれ、各都道府県の立ち位置が透明になることで、競争が起きることに期待したいと思います。
なお、このシンポジウムの中で、海運の流れが太平洋航路から日本海航路に変化し、日本海側の港湾が発展するとともに、太平洋の港湾から日本海を結ぶ高速道路の整備が進んでいるし、さらにこのトレンドを振興すべきとの議論が提起され、目からウロコの思いがしたことを付記しておきます。