日韓の首脳会談実現を目指してー日韓・韓日議員連盟合同総会
昨日、今日の週末29、30日の二日間、永田町の国会議員会館で日韓・韓日議員連盟合同総会が開かれました。
今年で36回目の総会ですが、昨年は日韓関係が悪化したため開かれず、2年前のソウルの総会以来2年ぶりの再開となりました。
私は、今年から超党派の日韓議連の事務局長代理を勤めており、運営委員会のメンバーとして裏方の仕事をさせていただきました。
昨日は、午後3時から合同運営委員会。日本側の河村建夫幹事長、直嶋正行運営委員長、韓国側の姜昌一幹事長、鄭宇澤運営委員長をはじめ、両国の運営委員数人で分科委員会の構成と共同声明の草案などの議論をしました。共同声明の文案は、明日の各分科会の意見を踏まえて幹事長同士で調整することになりました。
午後4時からは、安倍内閣総理大臣をお招きしての開会式と合同総会。総会では、額賀福志郎会長と黄祐呂会長の基調講演と直嶋正行運営委員長の経過報告が行われました。
その後、額賀福志郎会長主催の懇親会で初日は幕を閉じました。額賀会長の「2年分のお酒を一緒に飲みましょう」とのごあいさつは両国の国会議員に大受けでした。
今日は、午前9時から5つの分科委員会で議論が行われました。安保外交、経済科学技術、社会文化、法的地位、未来の分科委員会があり、私は、法的地位委員会に所属しました。
石井啓一委員長と禹潤根委員長の下、永住外国人の地方参政権問題について話し合いました。
日本では、過去7回、永住外国人の参政権を認める法案が国会に提出されましたが、結局すべて廃案となっています。一方で、韓国では、2005年からすでに永住外国人の地方参政権は認められています。2010年の統一地方選挙では、日本人の永住者も約2000人が選挙権を与えられています。
韓国側のメンバーはほとんどが元判事さんや弁護士さんたちで議論は専門的でした。そのポイントは、在日の韓国籍の住人の地方参政権を認めてはどうかという議論ではなく、国際的な大きな流れとして、永住外国人の地方参政権は普遍化しつつあるという議論でした。せめて、相互主義の原則で認めてはどうかとの立論です。
こちらは、「日韓の国民感情がここまで悪くなっている以上、今、日本の国会で法案が通る地合にない。日韓の友好を取り戻すことが、この問題を解決する近道ではないか。」という立論で対応。
しかし、国際的な動向と相互主義で攻められるといささか分が悪いことは否めません。
最終的な報告文は「韓国側は、日本の国会で、永住外国人に地方参政権を付与する内容の法案が迅速に成立されるよう日本側の格別な協力を要請した。日本側は法案の実現に向けて、今後とも一層努力することを表明した。」となり、宿題をもらった格好になりました。
(激しい議論のあった法的地位委員会終了後、全員でなごやかに記念撮影)
午前中の各分科委員会での議論をまとめ、共同声明を採択する閉会式は、30分遅れ、ようやく午後1時に満場一致で共同声明が採択されました。
ポイントは、日本が村山談話をはじめ歴代政権の立場を継承することや日中韓三カ国の共同歴史教科書の実現に向け、努力を日韓両国政府に促すことなどです。
まだ行われていない日韓の首脳会談に関しては、そのことを目的にするのではなく、まずは日韓の外交関係を改善する努力をして、その上で、実のある首脳会談を実現すべきとのコンセンサスが両国の議員同士でできました。
私が司会をした閉会後の記者会見では、その点が問われましたが、日韓の代表がそれぞれに、今の日韓関係は今までになく悪化しているため、慰安婦問題や首脳会談などの議論をすべきではない。まずは、そのような議論ができるような良好な関係に持っていこうとのコンセンサスをていねいに説明しました。
この辺の感覚は、両国ともに与野党が超党派で参加している中で、私たち議員にはとても自然な感じでした。
閉会後は、午餐会でなごりを惜しみました。この司会進行も私が担当。楽しい会になりました。
このような厳しい両国関係の時こそ、国会議員同士が顔を合わせて議論をし、一緒に飲んだり食べたりすることの重要性を再認識した二日間でした。
また、超党派の議員連盟の醍醐味を味合えた二日間でもありました。
自民党の伊藤信太郎事務局長と伊藤忠彦事務局次長のお二人にはすっかりお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。