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2013年5月29日

経済産業委員会での小規模企業活性化法案審議。

 今日は、衆議院・経済産業委員会で小規模企業活性化法案に関して質問の機会をいただきました。以下、概要を載せます。

1.法案の背景と狙い

問1.今回の法案の狙いは、小規模企業に焦点を当てた中小企業政策の再構築であると承知しています。ところで、この「小規模企業に焦点を当てる」という法案の設計思想は、実は、民主党政権時に創設された“ちいさな企業”未来会議における議論と、そこで得られた結論をベースにしたものです。

 すなわち、“ちいさな企業”未来会議は、全国各地で車座の会議を開催し、千を超える小規模企業の生の声を収集しました。そこから、さまざまな中小企業政策のアイデアが生み出され、その主だったものは、今回の法案に反映されたわけであります。従って、今回の小規模企業活性化法案は、“ちいさな企業”未来会議の結論を具体化するために提案されたものと考えていますが、大臣はこの点をどのように認識しておられるでしょうか。

問2.本法案は、“ちいさな企業”未来会議の提言、及び政権交代後のさらなる検討プロセスを経て、中小・小規模企業の課題を集約して成案を得たということですが、それでは、具体的に、現下の経済情勢の中で中小・小規模企業の抱える課題とは何でしょうか。

2.小規模企業振興

問3.中小企業基本法改正案について議論します。本改正案では、「小規模企業」に焦点を当て、その「基本理念」や、あるいは小規模企業に対する「中小企業施策の方針」を定めることとしています。

 確かに小規模企業に焦点を当てること自体は、“ちいさな企業”未来会議の考え方と合致していますが、他方で、プログラム法である基本法に「基本理念」や「施策の方針」を定めたとしても、それだけでは絵に描いた餅になる恐れもあります。

 政府としては、基本法にこれらの規定を新たに設けることにより、具体的にどのような小規模企業施策を講じていくつもりなのかお答えを願います。

3.起業・創業の促進と女性・青年の活躍

問4.次に、中小企業の担い手の問題について議論したいと存じます。

 この10年間で我が国の中小企業は約480万社から約420万社へと約60万社も減少してしまいました。また諸外国と比較して開廃業率も低く、いわば中小企業の少子高齢化が進行していると考えます。何故、我が国では、中小企業の起業・創業が低迷しているのか、この原因についての認識をおうかがいします。

問5.我が国では経営の担い手不足が深刻です。だからこそ、今後は、女性を新たな起業・創業の担い手として今まで以上に活用すべきではないでしょうか。これまでも、ダイヤルサービスの今野由梨氏やDNAの南場智子氏をはじめ、大勢の女性アントレプレナーがおられました。

 特に、地域の生活者が抱える子育て・教育・介護・文化・ファッションなどの多様なニーズに対して、女性の感性や発想を生かしたニュービジネスに活躍の余地が大きいと考えます。成長分野で活躍する女性起業家をさらに輩出させるためのアイデアについておうかがいします。

4.中小企業のIT活用

問6.次に、中小企業のIT活用について質問します。今回の基本法改正案においては、情報通信技術の活用を新たに盛り込んでいますが、その前提として、中小企業のITの利活用の現状と課題をどのように認識しているのかおうかがいします。

問7.現在はIT革命のまっただ中にあります。フェイスブックなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)は爆発的に利用が進んでいますし、クラウドコンピューティングなどの技術進歩の結果、ITの利活用の可能性は大きく広がっていると認識しています。このような最先端の情報通信技術を中小・小規模企業が使いこなしていくための方策について、大臣の見解をおうかがいします。

問8.ITについては光と陰が存在します。企業経営の利便性が増す一方で、その悪用によるリスクも深刻なものになってきています。「なりすまし」やハッカーによる攻撃、あるいはネットを使った誹謗中傷等の営業妨害など、ビジネスの世界においてもITの悪用は重大な問題です。

 今回の小規模企業活性化法案では、中小企業支援法改正案において、ITを活用した経営支援業務に関する措置が盛り込まれました。IT活用による中小企業支援自体は推進すべきだと考えますが、その陰の部分、リスクについてどのように認識しているか、また当該リスクを減殺するために、今回の支援法改正案においてはどのような措置を講ずるのかおうかがいします。

5.中小企業の金融円滑化

問9.最後の論点として、中小企業金融について議論したいと存じます。まず、政府において、中小企業金融円滑化法の期限到来後の現在の資金繰り状況をどのように認識し、これに対する措置をどのように講じているかおうかがいします。

問10.それでは、本法案において、中小企業金融の円滑化の観点からどのような規定が盛り込まれたのか。中小企業、とりわけ小規模企業にとって、金融円滑化は死活的に重要な課題ですが、今回の法案で有効な方策がとられているのか、具体的な改正事項の説明をお願いします。

問11.本改正法案では、日本政策金融公庫に対して、債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)に関する業務追加を行うとのことですが、そもそも、これまでの中小企業の金融再生事案で、日本公庫はどのような対応を行ってきたのか具体的に説明してください。

 また、今回の業務追加の結果、日本公庫が中小企業の金融再生において、今後どのような役割を果たしていくことになるのでしょうか。一方で、金融機関たる日本公庫が長期に株式を保有することは、一般論として好ましくありません。そのバランスをどのように取っていくのかおうかがいします。

問12.今回の法改正において、電子記録債権を信用保証の対象に追加するとしていますが、そもそも、これまでの電子記録債権の普及状況についておうかがいします。その上で、電子記録債権が中小企業の資金調達の円滑化にどのように資すると考えているのか、また、今回の改正によって、中小企業の電子記録債権の有効利用が本当に進むのかどうかおうかがいします。

問13.本法案で中小企業金融の円滑化のための諸方策が追加されることは評価します。しかし、より構造的な問題として、民間金融機関の目利き能力が低下し、その結果として前向きなビジネスを応援する融資が行われなくなってきていることが現下の最大の課題であります。民間金融機関の能力向上と前向きの融資を引き出すためにどのような方策が有効か、大臣の見解をおうかがいします。

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