マイナンバー法案
(民主党の社会保障・税一体改革調査会で法案の説明をする岸本周平)
私のライフワークの一つである、「マイナンバー法案」の民主党内手続きが終わりました。
野田政権の下で、民主党が内閣法として提出した「マイナンバー法案」は審議未了で廃案になりました。
そのプロセスで、自民党の平井たくや代議士、公明党の高木美智代代議士と私の三人で実務者協議を繰り返しました。
それぞれに党内の一任を取り付けて、先の衆議院総選挙前には、ほぼ合意案がまとまっていました。
今回は、自民党の安倍政権の下で、三人で作った修正案そのままに、政府提出の法案となりました。
約30年前に、大蔵省主税局の担当課長補佐として、「納税者番号」の税調答申を書いて以来、ようやく先進国並みに社会保障と税をつなぐ個人の番号が成立します。感無量です。
個人番号は、当面、社会保障と税金の申告などに使われます。
個人番号カードは、希望者にだけ配られます。まず、国民一人一人に個人番号が付けられ、その番号を書いた紙の通知カードが郵送で送られます。
免許書やパスポートのある人は、この通知カードだけで、免許書を提示すれば個人番号カードとして使えます。
ほとんどの国民はそうすることになるでしょう。
どうしても、ICチップの入った個人番号カードの欲しい方は、通知カードを持って市町村の役所に行けば、手数料を払ってゲットできます。手数料の金額は今後の検討課題です。
この番号の目的は、何より国民の利便性の向上です。
今は、住所変更や死亡届などは、何カ所も役所を回らなければなりません。
マイナンバー制度になれば、一つだけ手続きをすれば、すべて役所間で自動的に手続きが終わります。
民間利用の可能性を法定していますので、いずれ、引っ越した時の電気、ガス、水道などの手続きも一回で済みます。もっと幅広く民間企業のサービスにも使えますが、そこは国民のコンセンサスしだいでしょうね。
もちろん、個人情報保護には十二分に配慮しています。IT技術の粋を尽くして、重いセキュリティーのシステムを作ります。その上、第三者委員会の「特定個人情報保護委員会」を設け、万全を期します。
将来的には、「マイポータル」という自分の行政情報を一覧する機能や、役所から自動的にお知らせが来るようなシステムを導入します。
医療や介護の情報は別の番号で管理しながら、便利なようにシステムを拡張していきます。
ただし、ITの技術は日進月歩ですから、「マイポータル」もスマートホンやタブレット端末でアクセスできるように法律案の附則に工夫を施しました。
党派を超えて、専門家である私たち三人にお任せいただいた結果、国益重視の法案ができたことに感謝の思いでいっぱいです。