国防大学における危機管理セミナーに参加して。
5月3日からワシントンに派遣されています。4日に終日開催される、第45回の日米国会議員会議に党を代表して参加するためです。
通訳の入らない会議なので、昨年から指名されて出席。超党派で年に2回、東京とワシントンで交互に開催されます。
財務省時代もトヨタ自動車の渉外担当部長の時も、仕事でよくワシントンに来ていましたので、地図なしで歩けます。にぎやかなニューヨークも良いですが、私は、田舎町のワシントンが肌に合っています。
3日の午前中に成田を立ちますと、時差の関係で、ワシントンダレス空港には3日の午前中に着きます。
今年は、午後の時間を使って、米国防大学の危機管理センターでのセミナーに参加しました。自民党の塩崎泰久代議士や民主党の牧山ひろえ参議院議員など超党派での参加です。
国防大学の校長先生はロンドー中将。海軍出身の女性の将軍で、ハキハキとした強面の先生でしたが、大震災対応について、オペレーション・トモダチなど小一時間ディスカッション。
米国では、危機管理のシュミレーションをロールプレイゲームの形で行うことが普通で、政治家も参加します。
日本でも一部のシンクタンクでチャレンジが始まっていますが、今回は東京財団の研究チームと一緒に参加。
「戦略的アプローチ」の講義をうけた後、インフルエンザのパンデミック(世界的流行)シナリオに基づく、仮想の政策に関して、局面ごとの対策を議論しました。指導は高等戦略研修センターのヨネロッド教授。
インフルエンザのパンデミックは20世紀に3回発生。1918年のパンデミックでは米国だけで50万人の死者が出ています。
なぜ、国防大学で真剣に検討するかと言うと、1918年のスペイン風邪は米国海軍がヨーロッパから持ちこんだ可能性があるからだということでした。
過去の事実に基づき、データを与えられて政策当局者として判断する訓練は緊張感のあるものでした。
もしも、日本でも、「原発の全電源停止」のシナリオで危機管理のシュミレーションをしていたなら、今回の大震災の結果は変わっていたかもしれません。そのような強い印象を持ちました。
少なくとも、1000年前の津波は15メートルを超えていたという史実がある以上、最悪のシナリオで危機管理の訓練や備えをすべきことが、今回、思い知らされたのです。
日本でも、危機管理のシュミレーションを政治家や学者、行政官僚の間で自由に行えるようにすべきだと確信しました。政治家としての課題が一つ増えました。