自己の最善を他者に尽くしきること
東北地方太平洋沖地震の被害の甚大さに加え、福島原発の不安定な状況によって、私たちは今、不安で、暗い気持ちになっています。誰もが、お悔やみとお見舞いの気持ちで胸が張り裂けそうです。
それでも、生き残った方々のために、この大震災からの復興の努力を前向きに行うことが私たちの務めです。
私は、国会議員として、県連の対策本部長の仕事に加え、税制の専門家として、復興のための所得税や法人税の減免を対象とした税制改正法案に取り組んでいます。
私たち一人一人が、「自己の最善を他者に尽くしきること」で復興に貢献することが可能になります。
先週末、和歌山市内でも大津波警報によって住民が避難された地域がたくさんあり、お見舞いに回っていました。それでも、今回の大震災による被害の甚大さを思う時、平和な暮らしのありがたさを痛感しました。
そんな中でしたが、第57回文化協会総合美術展に一瞬だけ、顔を出してきました。
このイベントは、書画や写真と生け花のコラボレーションで出品するユニークな展覧会です。私も、今回初めて出品しました(出品は震災前です。)。
タイトルは「徳」で、色紙に隷書で「徳」としたためました。お花の方は、嵯峨御流の中森慶甫先生が担当してくださいました。牡丹の花です。
「徳」の原義は、勢いがあるということです。つまり、たとえれば、人が集まってきたり、お金が集まってきて、パワーがあるという状態が「徳」のある状態です。これは、中国古典での定義です。
そうなると、誰もが「徳」を手に入れたくなります。中国古典は、ある意味「人生のマニュアル本」ですから、そのための方法も教えてくれます。
すなわち、「自己の最善を他者に尽くしきれ!」と。
おのれの最善を他者に尽くしきることは、そう簡単にはできません。お金も名誉も入らないよという人だけができることかもしれません。
その意味では、「奥の深い」言葉だと、いつも思っています。
これから、大震災の復興をしていく時に、国民一人一人が「自己の最善を他者に尽くしきること」に徹していけば、「徳」のある国として、勢いを取り戻すことができるに違いありません。
不安を乗り越えて、がんばっていきましょう。