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2009年6月20日

和歌山大学の学生さんへのお答えーその3

 昨日の続きです。

 質問:補正予算で新たに10兆円を使えるとしたらどう使いますか?

 その3.

 行政の世界では、今、民間経営の手法を取り入れる「ニュー・パブリック・マネジメント」が流行しています。

 私はさらに、ビジネスのマーケティングの考え方を公共政策に応用できないか、研究しています。

 その意味では、米国のマーケティングの大家フィリップ・コトラー教授の論文などを読み込んでいます。彼は何冊か、面白い本を出されています。

 たとえば、彼の近著『社会が変わるマーケティング』は、世界の公共機関サービスの向上における成功事例が沢山書かれています。興味のある方はぜひ読んで見てください。

 その中にも指摘されているのですが、日本だけではなく公共サービスは世界中で停滞しているのです。いわゆる「お役所仕事」がまん延しているのです。

 しかし、公務員の中にはやる気がある人、才能がある人が沢山います。その能力を引き出さなくてはなりません。

 一番重要なのは、「皆でどうすれば、ひとりひとりの市民が満足してくれるのだろう。」ということを公務員が考えて行動するというシステムを作り上げることです。

 それには競争も必要です。本当に必要なサービスをつくれるようにどうすればいいのか。民間が当たり前にやっていることをやっていかなければなりません。

 社会企業家やNPOの参画による公共セクターの活性化やその具体案の施行などもいいですね。

 たとえば、イギリスでは有名なシェフのオリバー氏が学校の給食を冷凍食品などから、新鮮な野菜などを使ったヘルシーなメニューに変える市民活動を始めました。そして、6週間で27万1000名の署名を集め、当時のブレア首相から「学校給食の改善」予算に約700億円を引き出しました。(『社会が変わるマーケティング』69ページ〜74ページ)

 日本でもこのような活動を応援したいですね。

 (その4.に続く)

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

和歌山大学の学生さんへのお答えーその2

2009年6月19日

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和歌山大学の学生さんへのお答えーその4

2009年6月22日