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Blog活動ブログ

2009年2月11日

リベラルとは

 今日、20歳代の若者たちと話す機会がありました。普段、まったく縁のない世代です。いくつか参考になったことがありましたが、中でも「国会議員は選ばれた人々なのに、なぜ、国会でののしり合いをしているのか?党派が違っても、妥協して国民のための政策を実行すべきではないのか。だから、政治がつまらない。」という意見がありました。

 私も、自民党だ民主党だと政局争いするよりは「国民の生活が第一」という考え方を、時々、このブログに書いてきました。20歳代の一見冷めた若者もよく考えているんだなと思いました。

 おそらく、二大政党の下、政権交代を何度か繰り返す経験を積まないと彼が期待するような政治にはならないのでしょう。

 その前に、まずは今回、政権交代しないと、そのような「政権交代の繰り返し」という物語は生まれません。

 そのためには、もう麻生総理の揚げ足を取ることはやめるべきです。なぜなら、すでに有権者は麻生総理に愛想をつかしているからです。今こそ、自民、民主の二大政党の違いはどこにあるのかを説明しなければなりません。

 そのキーワードは「リベラル」だと、最近、考えるようになりました。

 リベラリズムとは訳せば「自由主義」です。ヨーロッパでは、身分制や権威主義を背景にした考え方が「保守主義」であり、個人主義的な、自由放任主義が「自由主義」と考えられています。

 新しい国のアメリカでは元々、ヨーロッパ的な「保守主義」はありません。基本が「自由主義」であって、個人の自由と競争を強調する考え方が「保守主義」と呼ばれました。そして、「自由主義」を前提としながら、所得再配分などの経済面での政府の役割を強調する立場が「リベラリズム」と呼ばれるようになりました。

 その意味では、アメリカの民主党は「リベラリズム」、共和党は「保守主義」を代表しているわけです。

 これは、私の恩師である政治学者の佐々木毅先生から教わりました。

 日本の民主党も「リベラル」を目指すべきです。もちろん、今さら、父権主義的な(パターナリステック)「大きな政府」は論外です。

 私の言う「リベラル」は弱い立場の人々への共感です。

 今、派遣切りの問題などで、「自己責任論」が自民党サイドから出てきます。

「正社員になれたのに、フリーな働き方をするために派遣を選んだのだから仕方ないじゃないか。」

 この議論はおかしいのです。親との同居など、住居や資産があればそのような選択も可能でしょうが、普通は「正社員になりたいけれど、なれない」人が派遣で働いているのです。「正社員になれたのに、ならなかった人」はいたとしても少数派なのです。

 たとえば、安易な「自己責任論」に組しないのが「リベラル」ということなのです。弱い立場にいる人への共感から政策を作るのが「リベラル」の政治です。
 
 ブログの読者の皆さんには、今年の中央大学大学院の学生に勧めた次の3冊の本をぜひお読みいただきたいです。自己責任論が通用しない日本がそこには描かれています。

 湯浅誠 「反貧困」岩波新書 2008.4
 阿部彩 「子供の貧困」岩波新書 2008.11
 岩田正美「現代の貧困」ちくま新書 2007.5

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

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