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2009年2月6日

鉄の三角形

 日本政治を分析する枠組みは、もちろん丸山真男先生から佐々木毅先生など日本の学者だけの専売特許ではありません。

 今なら、ジェラルド・カーチス先生や、ケント・カルダー先生などの日本政治の研究者の貢献も大きいです。

 そんな中で、学生時代、京極純一先生の講義で、「鉄の三角形」というコンセプトを習いました。私の記憶では、カリフォルニア大学のチャ―マーズ・ジョンソン教授の言葉ではなかったか、、、と。でも、検索ではジェラルド・カーチス先生の言葉だというのが一つありました。アイゼンハワー大統領が、軍、軍需産業、政の「鉄の三角形」という言葉を使ったらしいので、アメリカ政治学の用語なのでしょうね、、。どなたか教えてください。

 それで、「鉄の三角形」とは、政・官・財の三つのグループががっちりとスクラムを組んで、政治を運営する状況を言います。

 政治家は官僚には政策のお手伝いや、個別案件の陳情で頭が上がらない。逆に官僚は政治家に法律を通してもらわなければ政策の実行ができないので、その部分では頭が上がらない。一方で、官僚は企業には許認可権でにらみをきかすわけだが、天下りを受け入れてもらう段階で立場が逆転する。企業は、役所への陳情を政治家に頼むので、弱い立場に立つが、逆に政治献金と票の力で政治家に影響力を行使する。

 つまり、グー・チョキ・パーのような三すくみのベクトルが双方向に向き合う、まさに癒着の構造にあることをわかりやすく説明した概念です。学生時代に、「フーン!?」と思いましが、自分が霞が関に入って、その「鉄の三角形」を目撃するとは思いませんでした。

 このような「鉄の三角形」を変えなければ政治は良くなりません。また、ブログにも書いている通り、官僚時代に「鉄の三角形」の中にいた自分だからこそ、政権交代で「鉄の三角形」をたたきつぶす責任があると考えたのです。

 今、問題になっている「天下り」はこの「鉄の三角形」の中で、談合・汚職の温床にもなりました。去年の春にも、国土交通省の現職の局長が談合で逮捕されています。今でも、「鉄の三角形」は生きているのです。

 アメリカなら、いわゆる「ロビィスト」が民間企業と政治家の間を取り持つので、それなりの透明性があります。しかし、日本では、自民党の政治家その者が、「ロビースト」になって、「擬似政治家」の官僚機構に「陳情」をするという情けない状況になっていました。

 役所のあっせんによる「天下り」を文字通り全廃して、「透明性のあるオープンな三角形」をつくるのが、政権交代の使命です。

 その場合、麻生総理のおっしゃるように、「天下りしている役所の先輩が後輩を自分の後釜に据えるのは、役所のあっせんではないので、自由にできる」のでは、まったくの尻抜けになってしまいます。

 「麻生総理!官僚の作文を棒読みするのだけは止めていただきたい!」

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

中央大学大学院合宿講義

2009年2月3日

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