金融サミットの評価
先日行われた金融サミットG20をどう評価したら良いのか?新聞やテレビの報道では、皆さん判断しかねたのではないでしょうか?
マスコミには、政府の行動は「批判的に」報道しなければ、、という本能があります。一方で、電波の許認可権を持っている現政権にたいしては、規制されているテレビ局やその親会社である新聞社には、「政権がほんとうに困ること」を指摘しない傾向があります。
ですから、今回の報道もどっちつかずで、私が読んでもよくわかりませんでした。
さて、今回の金融サミットですが、「アメリカが金融市場の規制・監督を認めた」点で高く評価するべきです。
これまで、金融市場の規制・監督については、アメリカ政府は大反対をしていました。フランスやドイツはむしろ規制・監督を強めるという立場。イギリスは金融街シテーを抱えているので、アメリカと同じ立場。日本は、本来規制・強化派ですが、アメリカには強くものが言えない状況。
結果的に、「ヘッジファンドや格付け会社」への規制・監督を行うことが合意されました。画期的なことです。
二つ目はIMFなどの国際金融機関を改革して、金融危機を防いだりそれに対応する役割を与えたことです。ブッシュ政権ではIMF不要論も出ていたくらいですから、様変わりです。
金融サミットの宣言文を原文で何度も読み返しましたが、以上の2点は評価すべきです。
もっとも、具体的に、ヘッジファンドなどへの規制・監督がどうなるか、罰則をどうするかなどは慎重に見極めなければなりません。また、今、アメリカがIMFに対して持っている「拒否権(出資割合によるもの)」を手放すことはしないでしょうから、単純に喜ぶことはできませんが、、、。
4月に再度金融サミットが開かれることが決まったのも、具体策が議論できるので、良かったですね。
あとは、金融の規制・監督に前向きと言われるオバマ民主党政権が、どのように対応するか、結局、アメリカがカギを握っています。
麻生首相は「日本で4月に金融サミットを開きたい。」とおっしゃたそうですが、来年のサミット議長国であるという理由でイギリス開催が内々決まっているようです。
ちなみに、今年中は日本がサミット議長国なので、本来、この金融サミットは日本で開催すべきでした。フランスとアメリカで合意して、アメリカ開催になってしまいましたね。日本政府の動きが遅すぎました。
これは残念なことでした。
麻生首相には4月のサミットの日本開催にこだわって恥をかくより、過去の金融危機を克服した日本の経験をうまく参加国に伝えて、サミットの議論をリードすることにエネルギーを使っていただきたいものです。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。