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Blog活動ブログ

2008年7月28日

路上政治家のつぶやき

 コメントでいただいたお言葉ですが、確かに「路上政治家」を自負して、この3年間、活動を続けてきました。単に、駅前やスーパーマーケットのお店の前で街頭演説するだけではなく、住宅街、田んぼや畑の中でも辻説法をしてきました。

 直接、政策や政治への思いを有権者の皆さんに語りかけることが何より重要なことだと考えているからです。辻説法の場合は、途中から有権者の方が寄ってこられて、意見を言いたいということで、じっくりとお話を聞かせていただくこともよくあります。バス停の前で、2,3人の主婦の方がおられれば即席のミニ集会になる場合もあります。

 しかし、これもコメント欄でいただいたご質問ですが、今度のWTO交渉の結果が日本の農業に与える影響などは、なかなか街頭演説では訴えるのは難しいですね。

 最近、怠けている「政策の窓」で、きちんと書かなければ、、、と思いつつ、簡単なお答えをこのブログで書きます。

 実はどこの国でも農業を保護しています。やはり、食料は安全保障上大事ですから。アメリカなんかはその最たるもので、今回も農業補助金を削減せよと途上国から迫られています。

 それで、昔は高い関税をかけて輸入品をせきとめ、国内の農業生産者を保護しました。しかし、これでは国内の消費者がたまりませんし、貿易自由化の中で、関税は下げなくてはいけません。

 その後、アメリカでは1960年代から、EUでも1992年以降、関税による保護を止め、価格を下げるかわりに、農家に対して国際価格との差額を直接補償するようになりました。価格が下がったので、穀物などの需要も増えますし、生産性の高い農家により多くの直接支払いがいくように制度設計をしてますから、EUでは自給率も上昇しました。

 今どき、関税で維持される高い価格の農産物を消費者に負担させ、農業を保護しているのは日本だけです。この消費者負担が約5兆円あります。消費税の2%分です。関税での保護を止め、すべての農産物の国際価格と国内価格の差額を農家に直接渡せば1兆円で済むという試算もあります。農業予算3兆円のほとんどが農業土木などの公共事業ですから、それを止めれば1兆円を捻出することは可能です。

 しかも、大規模な農地を持つ農家に配分を厚くすれば、農業の生産性も上がり、食物自給率の向上に役立ちます。狭い農地の兼業農家は専業農家に土地を貸して賃料をもらいます。農産物の価格が下がりますから、その方が得なのです。理論上はそうして、農地の集約化が進むはずです。

 小沢代表の考え方は、日本では農地集約が進みにくいだろうから、全農家への支払いにしようというものでした。それでも、考え方として国際標準になりますし、財源も農林省予算の中でまかなえます。単なる「バラマキ」政策ではないのですよ。

 今回のWTOの結果はまだ出ていませんが、とても良いチャンスです。日本が時代遅れの関税を使って、消費者負担で農業を守る古い政策を捨て、国際標準の農家への直接支払いに政策変更するまたとない機会です。

 なんで、今まで、時代錯誤の農業政策をしていたか、、、?それは政権政党の政治家と農林水産省の官僚が勉強不足だった。ただ、それだけのことです。だから、政権交代なのです!

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


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