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2008年6月16日

景気の見方

 原油をはじめとするエネルギー価格や、食料品の高騰により、今後の経済状況も不安定ですし、サブプライム問題は依然不気味なマグマをためているようです。アメリカ経済は、さらに住宅価格が下げ止まらないために、普通の住宅ローンまで「不良債権」になりかねない危険性があります。アメリカの中央銀行もインフレの可能性のある中、これ以上金利を下げることもままなりません。ドル安を防ぐためにも、EUとの金利差を広げたくないところです。21世紀に入って、この7年間で、ドルは対ユーロで7割も減価しています。これは、原油などの商品相場に投機マネーが移動した一つの原因でもあります。世界経済も非常に不安定な状況です。

 和歌山市内を歩き回っていますと、たいへんな状況で、景気に関してはよい話を聞くことはありません。日本経済全体もそうなのですが、21世紀に入って、実質成長率3.2%の世界経済にリンクしている商売以外はなかなか上向く状況にありません。

 経済を見る時に、いろいろな指標がありますが、「企業物価指数」というものがあります。2000年の水準を100とした場合、「素材原料」部門では2008年3月の水準は214.9となっています。倍以上になっていますのは、原油などの高騰が実感できる数字です。部品などのいわゆる「中間財」は同じく116.1です。そして、消費者に売る段階での「最終財」はなんと91.0となっています。

 つまり、原材料の値段の上昇をお客さんに転嫁できていないのです。それも、消費者に近い「川下」ほど厳しい状況です。これは、和歌山でもまさに実感できることです。何となく、肌感覚で判っていることが数字で裏打ちされるとよく理解できます。その意味でも、この数字は、今の経済の閉塞感を強く物語っています。

 基本的には個人消費を上向かせる以外に解決策はありませんが、個人の可処分所得は減っています。1500兆円ある個人の金融資産を流動化するしかありません。一つには、住宅投資の拡大が効果的です。減税や、環境対策にもなる補助制度など思い切った政策支援で、個人の住宅投資を喚起すべきです。民主党のマニフェストにはぜひ取り入れてもらいたいものです。

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


岸本周平 公式サイト

雨の街頭演説

2008年6月15日

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個人の金融資産流動化

2008年6月17日