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2008年6月11日

為替市場の見方とマスコミ報道

 昨日から、日経新聞が、アメリカ政府の為替に関する口先介入を大きく報道しています。ポールソン財務長官の「介入も排除されるわけではない。」発言です。それにしても、びっくりするくらい大々的な紙面です。

 日経新聞は経済紙として、一応格式の高い新聞とされています。確かに、私の知る限り、優秀な経済記者さんもたくさんいます。しかし、事実誤認の報道もとても多いのです。先日、「ミニマムアクセス米」をめぐる日本のマスコミ報道の偏向を書きましたが、新聞記事のかなりの部分は「眉唾もの」だと思って読まないといけません。

 実は、今回のポールソン発言はあまり意味のないものです。まず、アメリカ政府は原則として為替介入の効果を認めていません。ですから、一昔前の協調介入以来、介入は全く行っていませんし、日本政府の為替介入にも懐疑的です。私は、3年間浪人して、英字新聞以外情報ソースはありませんが、今でも、アメリカ政府は介入をやる気はゼロだと考えます。これは関係者のコンセンサスです。

 ですから、このポールソン財務長官の発言はあくまでも一般論で、テレビのインタビューで言ってみただけの軽い発言です。市場も反応していません。今日、東京市場が107円をつけているのは、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長のインフレ警戒発言の影響です。つまり、米利上げ観測が高まっていることが引き続きドル買いを促しているわけです。

 財務長官ご自身では、口先介入をしたとも思っていないのではないでしょうか。国内のマスコミではNHKが黙殺。他紙もインターネットではあまり相手にせず、紙面では後追いをしているだけです。これも、困ったもので、天下の日経新聞が書くと、各紙の経済部は自信がないから後追いをするのです。

 皆さん、日本のマスコミの記事をむやみに信じてはたいへんです。

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


岸本周平 公式サイト

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