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2008年5月29日

アフリカ開発会議と食料危機

 第4回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜市で開催され、アフリカへの支援に国民の興味が示されました。これを一過性のものに終わらせることなく、持続してアフリカへの関心を持ち続けたいものです。

 私自身、財務省時代「国際局アジア通貨室長」を経験し、アジアへの関わりは深いのですが、アフリカの担当をしたことがありませんでした。日本はアジア諸国に、「円借款」という形のお金を貸すことで応援をしました。もちろん、金利がとても安かったので、政府開発援助(ODA)になったわけですが。欧米諸国、特に旧宗主国は無償の資金をアフリカの元植民地の国々に援助しました。その結果は、アジア諸国は経済成長を達成し、「アジアの奇跡」と言われました。その一方、アフリカ諸国はなかなか「離陸」できませんでした。

 今となっては、まず緊急にアフリカ諸国向けの食料危機に対応するとともに、中期的には農業支援に加え、教育や医療などのソフトのインフラと、ダムや灌漑施設などのハードのインフラを整備することが必要です。これらの分野は日本が高度成長を遂げる過程でつちかった最も強い分野です。息の長い援助を計画し、実行していくべきです。

 それにしても、これだけ食料の価格が値上がりすると、アフリカやアジアの貧しい人々にとっては死活問題です。ゼーリック世銀総裁が世界的な「食料ニューディ−ル政策」を提唱したゆえんです。なにしろ、この2年間で小麦や大豆、トウモロコシの価格は2倍以上になりました。タイ産米の値段も高騰してます。

 異常気象や、インド、中国など新興国の需要増加、トウモロコシなどバイオ燃料向けの需要拡大、投機資金の商品市場への流入などが原因とされています。まさに、最大の「環境問題」の一つともなっています。

 今年のかなり早い段階で、イギリスのブラウン首相は福田総理に書簡を出して、「7月のサミットで食糧問題を主要な議題にするよう」求めました。さすがに先見の明がありました。政治家はかくあるべきとの見本ですね。

 日本でも食料品が次々に値上げされています。食料の自給率が4割を切っているのですから、海外の価格高騰の影響をモロに受けます。しかし、日本のみならず、世界的な視点で、食糧危機への対応を考えていかなければなりません。これらの問題に比べれば、「道路特定財源」を死守することなどは「小さな政治」と言えます。政治の課題は山積みとなっています。一日も早く、「大きな政治」に貢献する機会を得たいものです。

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


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