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2008年4月16日

後期高齢者医療保険制度

 昨日の4月15日は、今月から始まった「後期高齢者医療保険制度」の保険料が初めて年金から天引きされた日です。テレビのニュースも新聞も、昨晩からひっきりなしに報道しています。

 最大の問題は家族の被扶養者で保険料をこれまで払ってなかったお年寄りの中で、200万人が新たに保険料を負担することになったことでしょう。さらに、すべて年金からの天引きですから、弱いものいじめだとの批判を免れません。天引きにするかどうか選択性にすべきでした。

 そして、今回の改正(改悪)は2年前から決まっていたのですから、日本政府に国民に対する説明責任を果たそうという姿勢が全くなかったことが明らかになりました。2年前に与党の多数で強行採決をした結果について、「国会で決まったことだから、国民は従って当然。」というおごりを感じます。

 元々、医療や介護の制度変更は法律が決まってから後、政令、省令、通達などで細かい運用が決まります。毎年、通達が年度末ギリギリに出されて、県庁や市役所の担当者は徹夜で仕事。病院や介護サービス事業者もてんてこ舞いです。いまだに厚生労働省のお役人にお上意識がある証拠です。

 現場の苦労を考えれば、法律改正の後、その実施を2年先にしてきちんと政省令や通達まで国民に周知徹底するべきです。しかし、今回のように実施まで2年もあったのに広報をしないというのは今の政府の大失政です。

 しかし、この問題の根は深いです。11兆円の老人医療費を何とかしなければいけないのは事実だとしても、科学的に医療費を減らす研究には政府の助成がないのです。4兆円から5兆円の薬剤費が適正かどうか。科学的な検証は行われていません。

 ある一定の年齢を超えると高いコレステロール値や高血圧の方が長生きするという研究データがあります。しかし、学界では無視されます。なぜなら、製薬業界から研究費をもらっている大学教授は、薬が売れなくなるような提言はできません。アメリカでは、保険会社が医療費を減らす研究に補助金を出します。無駄な薬には保険を適用しません。健全な競争原理が働くのです。

 日本では、道路だけではなく、医療分野など政権交代でしか変えられないことが多すぎます。「後期高齢者医療保険制度の騒ぎ」を一過性のもので終わらせずに、根深いしがらみと馴れ合いの政治にメスを入れるきっかけにしたいものです。

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。


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