2008年3月15日
ドル安が転換するタイミングは?
昨日のブログでは、今後の為替レートについて、マスコミが言うように1ドル90円程度まで突き抜けることはなさそうだとの予測を書きました。金曜日ののニューヨーク市場では一時98円をつけましたが、はてさて、どうなりますことやら。
市場が行き過ぎ(オーバーシュート)ていると書きましたから、いつから逆方向に転じるのかと友人に聞かれました。「長期的に、アメリカの国際収支の赤字が減って、ドルが高くなるのは判ったけど、いつからドル高に転じるのや?」と。
今のドル安は、基本的にはアメリカ経済が弱くなっているからです。アメリカの経済が良くなるタイミングはいつなのかという問題ですね。今回の不況のスタートは低い所得の世帯に対する住宅ローン(サブプライムローン)が焦げ付いたからです。
その原因は住宅バブルがはじけて、その価格が下がったからです。サブプライムローンを組み込んだ金融商品の損失が確定できない不安感が株価を下げています。ということは、基本的には住宅の価格が底を打つタイミングを待つしかありません。
それがいつかは私にはわかりません。しかし、アメリカの住宅ローンの契約書には「ローンが払えなくなったら、即刻オークションにかける」という条文が入っています。したがって、日本とは違って、損切りが早いのです。
さらに、金曜日にはアメリカのベア・スターンズに中央銀行が資金注入をしました。日本のバブル崩壊の時には、日本政府は銀行の不良債権問題を隠しました。アメリカでは、政府は問題を一切隠さず、スピード感を持って、救済をしますから、案外復活は早いように思います。