2008年3月12日
再び日銀総裁人事
参議院での武藤日銀総裁昇格案否決で、事態が流動的になってきました。政治は妥協の産物です。私も、霞ヶ関の中で、25年間、政治のゲームの中で暮らしてきましたから、骨身にしみています。正論が必ずしも通る世界ではありません。それでも、少しでもよい方向に国が動いていくことがあれば良しとしなければなりません。
それにしても、今の政治の状況で、官僚やブレインだけでは改革を進めることはできない。自分でリスクを取って政治家になることで日本を変えようと無謀な志を持ってしまったわけです。それで、落選し、目下浪人中。歯がゆいことたくさんありますが、本件でも、なお、政党間の妥協によって、日銀総裁の空白を作らないことは可能だと楽観的に考えています。
ここまで来れば、1月ごろに人事の提案をしなかった自民党が悪いとか、反対の理由が論理的でない民主党が悪いとか言っている場合ではありません。国際的な金融市場の立場からすると、「今ここにある危機」が相当大きいわけですから、今のところGDP世界第2位の日本が中央銀行の総裁を決められないということはありえないことです。
そのことは国会議員であれば誰もがわかっていることですから、過去の経緯に囚われず、一日も早く日銀総裁を決めていただくことは可能だと期待しています。