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2008年2月12日

芥川賞「乳と卵」

 久しぶりに、小説を読みました。今回の芥川賞を受賞した川上未映子さんの「乳と卵」です。携帯小説ということでしたが、最初、文体が特殊な感じで、読みにくかったのですが、途中から面白くなって一気に読んでしまいました。

 樋口一葉に影響をうけているというインタヴュー記事で納得しましたが、確かに最初に読みづらかったのは、文章が長々と続いていくからでした。途中から、それが気にならなくなるのは川上さんの筆力によるものです。

 実は私も、若い頃は、「文学青年」だったこともあり、小説家になりたいと思っていました。大学生1年生の時に、大学の校内誌に処女作を発表しました。「おおきにはばかりさん」というタイトルだったと記憶していますが、誰にも注目されることもなく、そのままになってしまいました。

 小説も映画も、自分以外の人生を仮想で生きることができるのが素晴らしいですね。私には、色々な世代の女性の気持ちや感性はわかりませんが、小説の中の主人公を通して、擬似体験できます。

 しかも、この小説は入念に仕組まれた伏線も見事でした。小説の構成を見抜くには、章ごとに後ろから逆に読んでいくと簡単です。この読み方は、高校生の頃、父親に教えてもらいました。今回も、一度最初から読んで、2回目は「緑子」のノートの文章ごとに適当に区切って後ろから読みました。この作者、只者ではないです。

 近頃の若いモンは、すごいですね。高橋歩さんといい、川上未映子さんといい参りました。


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2008年2月10日

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