2007年5月28日
エタノールの未来
先週のNHKのBS放送で環境問題のニュースがありました。エタノールをガソリンに混ぜることによって、CO2の削減が可能になるので、アメリカでも積極的に推進しているそうです。ところが、エタノールの原料が主にトウモロコシであるために、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は2倍にはね上がってしまいました。もともと、エタノールは代替燃料として有望視されながら、コストが高すぎるとして敬遠されていたのが、昨今の原油価格の高騰で開発熱が高まった経緯があります。皮肉なものですね。
中国でもエタノールに対する取り組みは2000年からと早い時期でした。トウモロコシの輸出国である中国ですが、トウモロコシ価格の値上がりを受けて、中国政府はエタノールの材料にトウモロコシの使用を禁止しました。たしかに、アメリカでも、同じ問題意識から、イモ類やイネ科の草が有力な候補として研究されています。
地球環境問題は私たち先進国が真剣に取り組むべき課題です。しかし、ガソリン代が上がると食物のトウモロコシの値段が上がる世の中を誰が予測できたでしょうか。自動車にも乗れない貧しいアジアやアフリカの人々にトウモロコシを食べるなということになりかねないのです。政治の責任は重く、日本のリーダーシップが発揮されていない現状にあせりを感じます。