重要土地等調査法案について
重要土地等調査法案が国会に提出され、本会議での代表質問の後、内閣委員会で審議されます。
本法案は、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、いわゆる重要施設周辺や国境離島等の区域内にある土地等について、その機能を阻害する行為の用に供されることを防止するためのものです。
外国人や企業が、自衛隊や海上保安庁、米軍基地などの周囲の土地を購入し、安全保障上のリスクが高まることのないようにすべきだとの議論を踏まえたものです。
もちろん、立法上、内外無差別の原則が十分に守られることは大前提です。
この法案の必要性は認められますが、刑事罰に担保された取引の事前の届け出や利用規制など、私権を制限する内容を含むものでありますので、通常の経済活動に悪影響を与えないようにすることが肝要です。
たとえば、区域指定についての一般の意見公募や国会報告を追加し、民主的な統制を行うべきです。
機能阻害行為の用に供し、または供する明らかなおそれがあると認められる時には、利用中止などの「勧告」、さらには正当な理由なく「勧告」に従わない時には「命令」が出されます。この命令違反には2年以下の懲役または200万円以下の罰金という刑事罰がくだされます。
したがって、具体的な予見可能性が必要です。少なくとも法律の明文上、「施設の運営に支障をきたす構築物の設置」、あるいは「電波妨害、施設への侵入の準備行為」など具体的な機能阻害行為の例示が必須です。
また、国民の権利義務に重大な影響を与える「勧告」や「命令」に関しては、民主的統制の観点から、その実施状況について国会への報告を求めるよう法律で明確に定めるべきです。
最低限の立法府の関与が必要ですから、国民民主党として建設的な修正案を出していく予定です。