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2021年5月6日

和歌山市内のワクチン接種は医師の心意気が頼り。

和歌山県のコロナワクチン接種状況は医療従事者については、5月6日現在37,268 人(内2回目11,187人)ですから、約3万7千人の医療従事者は1回目は打ち終わっています。2回目を終えた方はまだ3割ですから、今後供給される高齢者用のワクチンはまず医療従事者と施設の高齢者を優先すべきだと思います。

約31万人の県下の高齢者については1回目9,023人と始まったばかりです。

この内、和歌山市内の高齢者ではわずかに2,844人です(V-SYS)。全体が11万6千人なので、2.5%です。

もっとも、5月10日からはワクチンの供給も増えるようですから、今後スピードアップが期待できます。

しかし、和歌山市内ではいまだに集団接種が行われていません。個別の病院やクリニックでの個別接種です。

個別接種には、かかりつけのお医者様に注射を打ってもらえる安心感があります。

大きな病院であれば系列の高齢者向けの施設も含め効率の良い接種が可能です。

一方で、小さな病院や個人のクリニックでは個別の医師の高い志に依存しており、かなり無理が生じているようです。

クリニックでも1000人を超える予約は当たり前、昼間の電話はパンク状態。ワクチン関連の事務作業もたいへんです。

アナフィラキシーに備えるために、酸素ボンベをはじめ各種の装置や特別のお薬が必要ですし、30分間の待機は、狭い待合室では困難です。1日に打てる数は限られます。

特に、高齢者の施設を受け持っている医師は、「A施設は2人、B施設は3人」となると、ワクチンを解凍してから6時間以内に、和歌山市内を走り回らなければなりません。ワクチンを余らせるわけにはいきませんし、今後は職員さんもすでに打っているでしょうから、パズルを解くような工程表をつくることになります。

このようなオペレーションを個人の医師に押しつけるのはいかがなものでしょうか。

ある医師に聞くと、アナフィラキシーが心配で夕方遅くにワクチンを打てないそうです。救急病院によっては、夜の当直体制になった場合、アナフィラキシーの患者を受け入れてもらえない可能性があるからだそうです。

アナフィラキシーや重い副反応が出た場合、チーム医療が不可欠ですから、集団接種が望ましいはずです。

もしも、アナフィラキシーの処理がうまくできなかった場合、非難されるのはクリニックの医師であって保健所ではありません。そのような事案が起きれば、ワクチン接種に協力する医師が激減するおそれもあります。

これから供給されるワクチンの接種を急ぐためにも、市民の命を守るためにも、一日も早く集団接種の会場と人員配置の準備をするべきではないでしょうか。

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