李登輝ー指導者とは何か
李登輝元台湾総統が国会議員会館で講演をされました。
私を含めて300人近い衆参両院の国会議員が拝聴。
92歳とは思えない朗々としたお声と、格調の高い演説に感動しました。
今なお、台湾の民主化を進めるための改革のために頑張るんだという志に圧倒されました。
政治家としてリーダーとして、その情熱と品格に敬意を表します。
ご著書の「指導者と何か」、PHP文庫、2015年5月15日も拝読しました。
いただいた文鎮の「我是不是我的我(私は私ではない私)」という言葉は、死と表裏一体の意義ある人生をおくるための、李登輝先生にとっては、いわば座右の銘のような言葉です。
敬虔なクリスチャンであり、また、日本の旧制高校の教養主義の下、東西の古典、特に哲学に造詣の深い李登輝先生が、「私ではない私」を追い求めることによって、個人の持つ自我を排除し、客観的な立場で物事の正しい解決策を考えられるよう導かれたと書かれています。
いろんな気付きを起こさせる名著ですが、目からうろこが落ちたものは次の箇所です。
吉田松陰が拳拳服膺した孟子の言葉「至誠にして動かざる者は、いまだこれあらざるなし。」の解釈を、「相手にわかる言葉で説く」ということとしています。
誠を態度で示すだけではいけない、あくまでも、相手に分かる言葉で説得するんだというのは、政治家としての真骨頂です。
また、勇気には忍耐が必要だということを示すために、昭和天皇の御製「ふりつもる み雪にたへて いろかへぬ 松ぞををしき 人もかくあれ」を示しています。
その他、「恨まれ役」を引き受けることや、部下の尊厳を重んじることなど指導者としての心得をわかりやすく説いています。
李登輝先生の肉声をお聞きし、ご著書も読んで、今後も、政治家として生きていく覚悟を固めさせていただきました。
李登輝先生有難うございました。