建国記念の日に思う
建国記念の日、和歌山県護国神社の紀元祭に参加しました。
国譲りの神話のように、天照大神さまの「しろしめす」統治は、民のニーズを「知る」ことが大もとです。
大国主命さまの場合は「うけはしる」統治で、民を我がもののように慈しむ政治でしたが、民のニーズを聞く政治には負けたと言って、国を譲られたのです。
神武天皇の建国の詔のなかに、「おおみたから(民)」の幸福を目的にした「まつりごと」をすると謳われていますが、まさに「しろしめす」統治につながります。
このように、民が主の統治が行われていたわけで、選挙はありませんでしたが、まさに「民主主義」が我が国体だったのです。
その意味で、戦後の成熟した民主主義を貫き守ることを神前に誓いました。
また、一貫した平和主義も皇室の伝統です。
今年の新年の「天皇陛下のご感想(新年に当たり)」は次のようなものです。
『本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。』
また、昨年の天皇陛下お誕生日の記者会見のお言葉も次の通りです。
『先の戦争では300万を超す多くの人が亡くなりました。その人々の死を無にすることがないよう,常により良い日本をつくる努力を続けることが,残された私どもに課された義務であり,後に来る時代への責任であると思います。そして,これからの日本のつつがない発展を求めていくときに,日本が世界の中で安定した平和で健全な国として,近隣諸国はもとより,できるだけ多くの世界の国々と共に支え合って歩んでいけるよう,切に願っています。』
現憲法下で、ギリギリの政治的なメッセージを送られていると思います。
建国を記念する日に、この国の成り立ちや将来にお思いを馳せました。