日韓首脳会談は可能か
昨日の夕方からソウルに入っています。
岡田克也代議士、小川淳也代議士と三人で、韓国の国会議員やメデイア関係者、大学教授などとの意見交換をするためです。
私にとっては、先月の日韓議員連盟の総会のフォローアップの意味もあります。
学会は、ユン・ドクミン外交安保研究員安保統一部長、パク・チョルヒソウル大学教授、チン・チャンス世宗研究所副所長。パク教授とは、彼がコロンビア大学、私がプリンストン大学時代にニューヨークでお会いしてから15年振りの再会となりました。
野党の民主党では、イ・ナギョン韓日議員連盟筆頭副会長、キム・ソンゴン国防委員長。
(イ・ナギョン韓日議員連盟筆頭副会長、キム・ソンゴン国防委員長との会談の模様)
昨年の大統領選挙の候補となり、野党候補統一のため候補を辞退したアン・チョルス議員とも会談しました。
さすがに、韓国の若者に絶大な人気のあるカリスマ的な政治家で、人間的な魅力を感じさせる方でしたし、日韓の友好の重要性を十二分に認識されていました。
今は、無所属ですが、今後、新党をつくり、新しい政治の流れをつくるつもりであると聞きました。
また、東亜日報のシム・ギョソン論説委員室長をはじめ、パク・ジョンフン朝鮮日報社会部長、ハンギョレ新聞のオ・テギョ論説委員、韓国日報のファン・ヨンシク論説委員室長とも意見交換できました。
それぞれに、意見の相違はありましたが、概要、韓国側の現状認識は次の通りです。
パク・クネ大統領就任以来約1年間、日韓首脳会談ができていない理由は、安倍内閣の歴史認識がぶれることへの不信感。1993年の河野談話、95年の村山談話を引き継いでいるかどうか不明。この点をまず明らかにすることが重要。
小渕ー金大中の日韓パートナー宣言の原点に戻ることを目標にする。
当時、小渕首相には韓国をはじめ近隣諸国への配慮と温かい眼差しがあった。また、金大統領の対日観はバランスが取れていた。戦前の日本の植民地支配を批判する一方、韓国の脆弱性も指摘するし、戦後の日本が民主化し高度経済成長したことに学ぶべきだとの発言など。
日韓の関係が冷え込むことはアジア全体にとっても、両国にとっても大きなマイナス。
こちらからは、良い時も悪い時も、定期的に首脳会談をすることが大切ではないかと主張。
歴史認識の問題は置いておいて、まずは北朝鮮問題や経済問題で一歩前進することを成果に、首脳会談を開催すべきことを言いました。
韓国側は、定期的な首脳会談の必要性は認めたものの、今はタイミングが悪過ぎる。外交担当の実務レベルで、小渕ー金大中の日韓パートナー宣言の原点に戻ることを成果に首脳会談をするべく、両首脳を説得するしかないのではないかと。
また、韓国側からは、平均年齢80歳で57人の慰安婦の皆さんの問題は、彼女達が生きている間に解決すべきで、政府間で知恵を出す余地があるのではないかとの指摘。
領土問題は、長期的な課題。徴用工問題は、慰安婦問題とは違い韓国政府にも責任があるので、日韓の官民で基金を作るような知恵が必要とのこと。
確かに、個別の問題に入ると日本側にも言い分があるので、そう簡単ではありません。
しかし、日本政府がこれまで積み上げてきた努力の過程を再認識し、自民党時代の各談話や小渕さんのパートナー宣言に立ち戻ることは、自民党の安倍内閣にはそう難しいことではないと思います。
この他、野党の私たちは、現職の政府高官との接触を遠慮したものの、ユ・ミョンファン元外交通商部長官、コン・ノミョン元外交部長間などの有識者との会談もしてきました。
この他、北朝鮮のチャン・ソンテク氏の処刑問題などにかんしても意見交換しましたが、機微に触れますので、内容は省略します。
明日は、与党セヌリ党の議員の他、ソウル大学の学生さん達ともフランクな話し合いの予定です。