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2013年12月24日

日韓首脳会談は可能かーその2

(ソウル大学の学生さん達との意見交換会の記念撮影)

 今日も、ソウルで日韓の友好を前進させるための会合を重ねました。

 まず午前7時からの朝食勉強会で、ソウル駐在の日本企業の関係者からヒアリング。韓国三井物産の中島透社長、東レソウル事務所の沼野隆一所長、韓国東芝の宮崎洋一社長、三井住友銀行の龍田俊之ソウル支店長の皆さんです。
 
 日韓関係が史上最悪と言われる中ですが、ビジネス面でのトラブルは全くないと、皆さんが同様におっしゃっていました。

 社員はほとんど韓国人ですが、普段の会話でも大きな問題はないそうです。20年くらい前の厳しさに比べれば、ずいぶん改善されているとのこと。

 徴用工問題に関しても、現地の日本企業が「韓国政府が何とか、知恵を出してくれるのではないか。」と鷹揚に構えていた方が良いと思っているときっぱり。

(ソウル大学の学生さん達に話しかける岸本周平。)

 その後、ソウル大学日本研究所のパク・チョルヒ所長の設営で国際大学院や日本専攻の学生さん達との意見交換会。この秋、北京人民大学の学生さん達との会合でも有意義な話し合いができたので、楽しみにうかがいました。

 主に、日韓関係の議論になりましたが、驚いたのは、日本に関係する学問を専攻する彼ら彼女らにとって、3.11東日本大震災による原発事故が日本への期待を裏切る大事件だったそうです。

 保護者や友人から、「あんな事故を起こし、解決にもモタモタしている日本」のことを勉強したり、そのために留学して大丈夫?と言われたとのこと。

 もちろん放射能の問題もありましたが、日本の行政システムや技術水準への期待が裏切られたことが大きかったと何人かの学生が発言しました。

 これにはビックリしました。やはり、「百聞は一見に如かず」(いや、直接聞いたってこと)ですね。

(意見交換会の模様。女子学生が多いです。) 

 それでも、彼ら彼女らは、日本を専攻し続けてくれています。日本に興味を持った理由はそれぞれでしたが、アニメやゲーム、また「嵐」などきっかけは文化的なことが多かったです。

 また、韓国の学校で教えられた近現代史と、自分で勉強したり、留学して教わったことの落差から、きちんと勉強したいと東洋史を専攻したという学生も複数人いました。

 韓国で未来のリーダーになる彼ら彼女らを応援したいと思います。

 写真でもわかるように、女子学生が圧倒的に多かったです。私の中央大学での教師経験を加えると、日韓ともに、女子学生の方が、度胸があって成績も優秀なのですね。 

 最後に、与党セヌリ党のキム・テファン韓日議員連盟会長代行、ナム・ギョンピル同顧問、キム・セヨン同経済科学委員会副委員長との昼食会に。

(セヌリ党の国会議員との記念撮影)

 日韓首脳会談の実現を望む私たちの意見を述べた後、日韓関係に関する議論は、昨日の韓国側のコンセンサスと同じことが先方から繰り返されました。

 その際、韓国国民が特に感情的になった原因の最大のものは、安倍総理が自衛隊の制服を着て自衛隊機に乗っている写真が報道された際に、機体に731と書かれていたことだとの発言がありました。

 これは、先の大戦における731部隊を連想させる数字なので、あまりにも無神経ではないかとの批判です。

 私たちもさすがにそれは「偶然」のことなので、「不幸なできごと」だったと弁護しましたが、一国の総理大臣が、いわば「軍服」を着て戦闘機や戦車に乗ってはいけないですねと言わざるを得ませんでした。

 帰国前に、空港近くのレキシントンホテルで岡田克也代議士の日本の報道機関向けの記者会見があり同席しました。

 主に岡田代議士が発言されましたが、私にもマイクが渡されましたので、午前中のソウル大学の学生さん達との会議で、福島原発事故が彼らに与えたショックについて発言。

(記者会見の模様)

 そして、金浦空港から関西空港に到着。わずか1時間30分のフライトでした。ソウルは近いですね。

 今回は、日韓議員連盟の事務局長代理の立場でもありましたが、勉強になりました。来年の秋のソウルでの合同総会に向けて、日韓親善のために具体的に貢献するよう頑張ります。

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