社会的擁護の必要な子どもたちを応援する議員連盟
(二葉学園にて、社会的擁護の必要な子ども達を応援する議員連盟のメンバー、二葉学園の武藤さん、小倉さんと)
今日は、社会的擁護の必要な子どもたちを応援する議員連盟の辻本清美会長、細野豪志副会長と一緒に児童養護施設の視察に行ってきました。
二葉学園では、武藤素明さん小倉要さんからお話をうかがいました。
二葉学園は、グループホーム的な少人数での施設運営のモデルケースとして成功している施設です。本当に家庭的な施設がバラバラに運営されています。
政府からの措置費以外に、東京都からの助成があるので、人員配置なども和歌山などの地方都市に比べると恵まれています。
それでも、ネグレクトや被虐待の子どもさんが多い現状では、子どもたちと向かい合う中で課題がたくさんあるとおっしゃいます。
何より、児童相談所から措置されて送られてくる子どもたちは、その段階でギリギリの状態だそうです。
それは、東京都と言えども、児童養護施設が既に定員いっぱいで運営されているため、子どもが切羽詰まるまで送り込めないという現状があります。
後藤さんたちからは、「そのようになる前に、お預かりできれば子どもも施設も助かるのですが、、、まあ、しかし、現状を考えるといたしかたない。」とのこと。
また、乳児院も運営されており、里親なり特別養子縁組の重要性と難しさについても、じっくりとお話をうかがうことができました。
先進諸外国では、愛着障がいを防ぐためにも幼少期からの里親制度が原則で、乳児院は存在しません。
外国との違いは、日本の場合、「親権」が強くて、施設の子どもに会いにこない親でも里親や養子を拒むことができること、いわば「親子関係」に血縁が重視されることもあるようです。
その後、伝統のある調布学園を訪ねました。こちらは、広い敷地の中に建物が点在し、小規模のグループで生活しています。
統括園長の渡邉茂雄さん、施設の責任者の遠田滋さん、春日明子さんにお会いしました。春日さんは勤続50年のベテランで、子どもたちが安心して頼りにしている姿が微笑ましかったです。
調布学園も、少人数での運営で成功していますが、短期的に子どもを預かるショートステイも運営しています。
旅行や仕事などで預ける方よりも、育児不安で相談にくる方が多いそうです。
ネグレクト(育児放棄)のほとんどが親の精神疾患が原因だとお聞きしました。普通、「育児放棄」なんて、どんなひどい親なんだろうと思いがちですが、精神的な疾患が原因なので、親と子どもを一緒に保護すべきなんですね。
これは、どちらの学園の方々も同じで、親子でケアすべきだが、制度がうまくつくられていないとのご意見でした。なお、調布学園では母子寮も運営して、親子のケアにも挑戦されていました。
幼児期の里親や養子縁組の問題、施設にいる子どもたちの課題、そして施設を出た後の就職、進学や生活の問題などを再認識できた視察となりました。
これからも、社会的擁護の必要な子どもたちを応援する議員連盟を足がかりに、地道に活動し、いずれは超党派の議員立法で、一歩でも改善できるよう頑張ります。