社会的擁護の必要な子どもたちを応援する議員連盟
(議員連盟設立総会。左から細野豪志代議士、辻元清美代議士、岸本周平、慎泰俊さん)
児童養護施設の問題は、2011年のタイガーマスク現象で、少し世間の関心を集めましたが、心配した通りの一過性のもので終わりました。
私も、落選して和歌山市内をじっくり歩き回って、「児童養護施設訪問」をするまで、どのような子どもさん達を預かっているのか知りませんでした。
当時、和歌山市議会議員の藤本真理子県会議員に、連れて行っていただいたのが最初のきっかけです。
それからは、何度も施設にうかがい、「広島のボランティアを和歌山の施設に紹介する活動」をしたこともあります。
クリスマスなどには、「あつまろ会」のメンバーとボランティア活動の一環として毎年出かけています。
昔は、保護者が育てられない子どもさんたちが中心の施設でしたが、今は、6割から7割の入所者はネグレクト(育児放棄)を含む虐待の経験のある子どもたちです。
「票がないから、政治家はこの子たちのことは考えてくれない。」施設の職員さんの言葉が、今でも、私の脳裏から離れません。
サッカーの中田浩二のマネジメント会社サニーサイドアップの「次原悦子」さんは深く児童養護施設に関わってこられ、「踏切に消えたナオ」という本も出版されています。
次原さんとも、この問題を政治家として深く掘り下げる約束をしましたが、ようやくスタートを切ることができました。
昨日、「社会的擁護が必要な子どもたちを応援する議員連盟」を立ち上げました。
辻元清美会長、福山哲郎、細野豪志、山井和則副会長、岸本周平事務局長の体制でスタートします。顧問には、保育士の資格を持ち長年このこの問題に取り組んできた羽田雄一郎参議院議員。
設立総会には、NPO法人Living in Peaceをつくって児童養護の問題に取り組んでいる慎泰俊(シン・テジュン)さんに来ていただいて討議をしました。
慎さんは、1981年東京生まれ。2006年よりモルガン・スタンレー・キャピタルを経て、現在は投資ファンド勤務。著作には「15歳からのファイナンス理論入門(ダイヤモンド社)」など専門の金融や投資の本も多数ありますが、「働きながら、社会を変える」などの本も出しています。才能ある若者です。
慎さんは、児童養護施設に住み込んでボランティアをしたり、子どもを引き取って一緒に住んだり、地道な活動を続けています。
「近頃の若い者はすごい!」を代表する一人です。ビジネスマンだけに、子どもに勉強することの大切さを教えたり、大学進学のための家賃援助などの具体的な支援をする現実派なので、本当に尊敬できる若い友人の一人です。
虐待を受け、愛情を受けてない子どもたちですから、施設の中の生活もたいへんですが、施設にいる間はまだまし、、とは言えます。まず、住むところは確保されているのですから。
高校に行かなければ、15歳から、高校を出たら18歳から施設を出なければなりません。法律上20歳までは保護される建前ですが、実際はたいへんです。「三丁目の夕日」の時代と違って、住込の仕事もほとんどない状況です。
職員の配置基準を6:1からせめて4:1にすること、そして、子どもたちが施設を出た後の生活や仕事のフォロー、できれば大学進学の応援などの制度化が私たち議員連盟の仕事だと思います。
まずは、民主党でスタートしますが、NPO議員連盟のようにいずれ超党派の活動にして議員立法などで制度をつくっていきます。皆さん、この子どもたちに関心をもって応援してくださるようお願いいたします。