財政再建は難しい!
今日は、財務金融委員会で、公債特例法案の締めくくり総括審議の予定でした。重要法案では、討論、採決に入る前に、総理大臣を呼んで、締めくくりの審議をするのが慣例です。
ところが、昨日から、国会が不正常になり、今日の財務金融委員会は延期に。残念です。
私が民主党を代表して、質疑者となり、菅総理大臣に質問をする予定でしたので。
まあ、来週には開催されるでしょうから、気を取り直して、さらに質問の準備を続けます。
今回、公債特例法案の勉強をする中で、おもしろいことがわかってきました。
1990年代に、多くのOECD諸国は、財政再建に取り組みました。そして、OECD平均でも、一般政府の財政収支は、2000年には、黒字に転換しました。しかしながら、2000年以降、再び、多くのOECD諸国で、財政赤字が拡大しています。特に、リーマンショック以降は、どこの国でもそうです。
ところが、よくデータを見ると、、いくつかの国では、借金を返して、貯金を積み上げていることがわかります。オーストラリア、スウェーデン、ニュージーランドなどです。
これらの国は、比較的小さな国なので、日本には直接あてはまらないかもしれませんが、財政規律を高める取組みには、参考になる点も多いと思っています。予算編成や執行プロセスの透明性と権限の集中などです。
そして、財政再建については、言うまでもなく、政治の強いリーダーシップが必要です。これもよく指摘されることですが、増税よりもまずは歳出の見直しが必要です。
しかし、歳出を削減するためには、それに関わっている人たちを説得しなければなりません。だから、強いリーダーシップが必要なのです。財政再建に成功した国をつぶさに見ると、いくつかの共通点があります。
政治的なリーダーシップが強いのです。多くの国で、財務大臣が財政再建あるいは歳出削減に力を発揮したのち、その財務大臣が総理大臣になっています。
スウェーデンでは、財政危機に陥った後の1994年に誕生した政権において、財務大臣を務めたヨーラン・ペーション氏が1996年に総理大臣となり、彼は2006年まで政権を運営しました。
オーストラリアでは、1980年代に厳しい財政再建を行ったポール・キーティング氏が、1991年から96年まで総理大臣。
カナダは、1990年代前半に危機的な状況となりましたが、1993年に誕生したクレティエン政権の時に財務大臣であったポール・マーティン氏が2003年に総理大臣になっています。
日本について、どうなっているかを見ると、なかなか面白い事実があります。
昔は、自民党政権時代ですが、大蔵(財務)大臣経験者が、総理になるケースがよくありました。消費税を導入した竹下さんなどが典型例です。
しかし、最近まで、蔵相から首相になった最後の事例は、1996年の橋本さんでした。そのあとは、財務大臣から首相になった例はなかったのですが、久しぶりにその例となったのが、菅総理です。うーん、、、、絶句。