中央大学大学院の集中講義
(今年のゼミ生、真崎亮さんと小林暢秀さんの二人。公共政策研究科修士1年生。)
先週末は、木曜日と金曜日の二日間、終日、大学の教員稼業に戻りました。
大学の先生を本格的に始めたのは、1995年にプリンストン大学に行ってから。「日本経済論」を教えました。
この時の、英語のできない中年おじさんの苦闘を描いた「中年英語組」(集英社新書)がベストセラーに、、、、苦笑。
帰国後、大蔵省の官僚をやりながら、埼玉大学の経済学部で講義を続けました。現役官僚で、大学教授を兼任したのは珍しい時代でした。
その後、東京駅前の埼玉大学サテライトキャンパスで大学院生を担当。中国の山東大学経済学院の客座教授も引き受けて、年に一回は講義に行きました。
教えるためには、勉強しなければいけないので、強制的に知的刺激を受けるには、大学の「客員教授」稼業は最適です。「客員」なので「教授会」に出る必要がありませんし、、、、、笑。
今回の講義は「市ヶ谷田町キャンパス」。市ヶ谷駅近くの高層ビルです。教室の窓から、スカイツリーが見えました。
私のゼミは2泊3日の合宿講義なので、いつも少数精鋭。今年は、特に少なくて二人。こうなると、「寺子屋」ですね。朝から晩まで、昼飯も一緒に食べながら、議論をしていますと、学生さんの人柄もわかって楽しいです。
今年の二人は、将来、政治家、官僚を目指していました。
この二つの職業は、今、若者が目指そうとはしないものです。ぜひ、誰かが担わなければならないパブリックな仕事に挑戦していただきたいものです。
テキストは前のブログで書いた通り、サンデル教授の「これからの[正義]の話をしよう」。
http://blog.goo.ne.jp/shu0712/e/9827636047673ce22a8e079829c8040b
幸福の最大化を目標にする功利主義。自由の尊重を目標にするリバリタリアン。美徳の尊重を目標とするコミュニタリアン。豊富な具体例をもとに、コミュニタリアンの意義を強調し、価値観の違う者同士の共存を訴えるサンデル教授の語り口は楽しいものでした。
ベストセラーになるだけのことは、、、ありますね。