新成長戦略推進会議の発足に思う。
政府は「新成長戦略推進会議」を設置、9月9日に初会合の予定とのこと。
総理が議長、官房長官、国家戦略・経済財政大臣、経済産業大臣が副議長で、経団連会長、商工会議所会頭、経済同友会代表、連合会長、日銀総裁、財務大臣、伊藤元重東大教授、清家篤慶応大教授などがメンバーとされています。
法人税の引き下げなど成長戦略を議論することが予想されています。
これは、とても良いことです。大いに議論し、政策決定をしていただきたい。
しかし、この会議には法律の根拠はありません。
どのように運用されるのかも不明です。
このメンバーを見ると、ある意味デジャヴーを感じます。
この構えは、「経済財政諮問会議」とよく似ています。
私は、小泉内閣で竹中平蔵経済財政大臣が主宰する「経済財政諮問会議」の事務局で内閣府政策参与として働いていました。当時、諮問会議委員の奥田碩経団連会長のリエゾンオフィサーとしてトヨタ自動車から出向の形でした。
「経済財政諮問会議」の良さは、委員の間で喧々諤々(がくがく)の議論をした後、司会の竹中大臣が取りまとめ、小泉総理が決断すればその通りに決まりました。残念ながら、自民党の族議員にはばまれて、改革がすすまなかったのですが、、、、。(そのことが、民主党からの立候補の理由となったことは何度も説明している通りです。)
各省の大臣が官僚の振り付けで、改革に反対しても、竹中大臣やその他の民間委員にコテンパンにやっつけられて、それでお仕舞い。個人の能力が歴然とする会議でした。
しかも、その議事録が後で、公開されます。とてもオープンで透明な意思決定システムでした。小泉政治が良いと言っている訳ではなく、「経済財政諮問会議」が方法論として良くできていると言っているので、誤解のないようにお願いします。
もっとも、司会をする大臣の能力や総理のリーダーシップの問題があって、どの内閣でも成功したわけではありませんが。
「新成長戦略推進会議」に関する私の提案は、ぜひ、議事録を公開していただきたいというものです。今は、閣僚懇談会で議論した後、各大臣が記者会見でてんでばらばらにお話をして、何がどう決まったのか、良く判りません。
いっそのこと、「新成長戦略推進会議」という名前をニックネームにして、根拠法のある「経済財政諮問会議」として運営すればどうでしょうか。
その方が、透明性が担保されると考えます。「国家戦略局」設立の法律改正が終わるまで、この会議を「国家戦略局」として運用することにもなると思います。
要は、政権運営の心意気の問題ではないでしょうか。