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Blog活動ブログ

2010年8月26日

欧州委員会の見方とIMF


(欧州委員会のビルで、ショッピングセンター用に建てられたものを転用したそうです。)

 今、ブリュッセルの現地時間は、午前8時10分です。

 今日、フランスのシャルルドゴール空港経由で関西空港に戻ります。空港にはブリュッセルから電車で行きますので、荷物の行方不明は防げるはず、、、。

 昨日は、欧州委員会のクローガ―経済財務総局長と会談。

 ギリシャ政府が、ハードな改革プログラムを容認し、前向きに実施していることを高く評価していました。

 欧州中央銀行の総裁、欧州委員会の責任者、ギリシャの財務大臣にお会いして、彼らが、強い信頼感で結ばれていることがよくわかりました。

 アジア金融危機でも、関係者の信頼関係が何より重要だと感じた経験があります。

 IMFが性急な改革を求めて、政府との関係を悪くして、救済が進まなかった現場を見てきましたから。

 それで、クローガ―総局長に、「IMFとの関係はどうか?ギリシャ政府は逆手に取って、改革を進めたいので立派に対応したが、他の国ではどうか?むしろ、ヨーロッパマネタリーファンド(EMF)を作ってはどうか?」

 総局長は本音で答えてくれました。

 「確かに、欧州中央銀行はIMFを排除しようとした。技術的なアドバイスから一歩進んで、金融政策などに介入されることを恐れたためだ。

 そして、仮に他の国が救済対象になった時に、厳しい改革プログラムを受け入れるかどうか、そのことも議論になった。

 ドイツはまさに、EMFの主張をしたが、これは多分に国内の世論対策ではなかったか。」

 つまり、アジア金融危機の際に、アジアマネタリーファンド(AMF)の創設をめぐって、二本、アメリカ、中国の間で、激しい政治的な闘争があったように、今回も、内部では国際機関の間で、政治闘争があったことがうかがえました。

 総局長は言いませんでしたが、EMFができると欧州委員会の権限が減るので、彼自身が反対にまわったに違いありません。

 それでも、ユーロ導入時のインタビューで、ヨーロッパの指導者層が「戦争を二度としないために、ユーロを。」というコンセンサスを作っていたように、今回もエリート層の危機感が救済スキームをまとめたのでしょう。

 もちろん、ユーロ導入でドイツは東欧で、フランスは南欧で大きな利益を上げていますから、理想論だけではない。しかし、国民レベルでの「何で、ギリシャを助けねばならないのか?」という疑問を、指導者間で抑え込むスキルがあるのですね。

 今回の視察で多くのことを学ぶことができました。

 できれば、IMFの担当者にインタビューしたかったですが、、、、苦笑。

 それにしても、日本の株安と円高が気になります。

 市場が油断した瞬間、日銀が大胆な金融緩和策を打ち出す準備をしているはずです。

 帰国後、財務金融部門会議で問題提起をしていきます。

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