北朝鮮のテポドン2号発射
(和歌山城の桜が満開です。私の好きなアングルで和歌山城を撮りました。)
5日の日曜日は、私もお花見を楽しんでいましたが、一方で、北朝鮮がテポドン2号を発射するという大事件がありました。
今日も和歌山城の周りで辻立ちをしましたが、和歌山市民の皆さんは、暖かい春の一日、のんびりとお花見を楽しんでおられました。臨場感がないせいか、ミサイルが頭上を飛び越えた東北地方とは、危機感が違うのでしょうか。
今回の北朝鮮のテポドン2号発射は、日本政府として見過ごせません。被害がなかったことは喜ぶべきことですが、ただちに、北朝鮮に厳重な抗議を行い、安全保障理事会に新たな国連決議を求めている姿勢は当然のことです。
ところが、6カ国協議もなかなか進展しないように、中国やロシアといった北朝鮮の肩を持つ国がいる中での多国間外交は難しいものです。
先般のG20金融サミットでも参加国の利害が対立し、大きな成果を得ることが難しいのです。日本は第2次世界大戦の前から、多国間の外交を苦手としてきました。今でも、同じです。
「ならず者国家」であり、国際的なルールを守らず、今回も2006年の安全保障理事会の決議に明らかに違反している北朝鮮の存在は日本には脅威です。しかし、中国やロシアにとっては、自国の安全保障上は北朝鮮が存在する現状維持が望ましいのです。
そして、北朝鮮はそのような多国間の利害の対立を前提に、アメリカからの譲歩を引き出すために、何度も、このような危険なゲームをしかけているのです。
日本政府としては、政策の継続性の観点から、まずは経済制裁を強化していくべきでしょう。一方で、安保理での決議に関しては、日米と中ロの温度差が歴然としている以上、したたかに交渉しながら、一歩でも前に進めるよう頑張るしかありません。
私もアジア金融危機の後、財務省のアジア通貨室長として、多国間の国際金融交渉に携わりました。二国間の交渉とは比べ物にならないくらいたいへんでした。今の外務省の関係者のご苦労はよくわかるつもりです。
それでも、日本の国益を守るために、粘り強く、北朝鮮の冒険主義を止めるような国連決議を勝ち取る努力を期待します。
その意味では、4日に日本政府が「飛翔体が発射された」という誤情報を流して、世界中から物笑いの対象になった事件は、返す返すも悔やまれます。国家としての信頼性に欠けたわけですから、外交の舞台では大失策です。
自衛隊や防衛省の現場の判断ミスもさることながら、防衛大臣や総理の政治家としての資質が問われなければなりません。残念です。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。