霞ヶ関埋蔵金とは何か?
最近の新聞紙面に、「埋蔵金」という言葉が踊っています。現在、政府で検討中の第2次補正予算の財源にも「埋蔵金」が4兆円程度使われそうだとの報道もありましたね。
「霞ヶ関埋蔵金」の名付け親は与謝野馨経済財政大臣ですが、はてさていったい何のことか?
予算には、一般会計と特別会計があります。道路整備や年金、財政投融資などの特別会計は、料金収入や保険料などの収入があり、税収や国債でまかなう一般会計とは切り離して予算を組みます。
この特別会計の資産と負債の差額が「埋蔵金」です。内容は貸し倒れに備えたり、金利の変動に備えるための積立金や準備金。それに、繰越や剰余金などです。
財政投融資で18兆円、外国為替で16兆円、道路整備で7兆円などの「埋蔵金」があります。
特別会計はこれまで、国会審議の対象とは言え、政治家も興味を持たず、また財務省の主計局も一般会計ほど厳しく査定をしてきませんでした。
官僚はどうしても保守的で、お金を溜め込もうとする本能がありますから、実際に必要な積立金や準備金以上の額を積み立ててきました。剰余金もどんどん貯めていきます。
21ある特別会計全体で人件費が約8千億円、事務費が5千億円ですから、できるだけ自分たちの自由になるお金を持っておきたいと考えます。同じ財務省の公務員でも、一般会計から給料をもらう職員と特別会計から給料をもらう職員がいて、特別会計の方が残業代がたくさん出るとか、出張旅費にゆとりがあるとか、、、。そんなことが、私がまだ若い頃にはありました。今は、さすがにそんなことはないでしょうが、、、。
「母屋でおかゆをすすっている間に、離れですき焼きを食べている。」という名セリフは塩爺財務大臣のものですが、母屋は一般会計、離れは特別会計のことです。
さて、国全体では850兆円の借金があります。一方で、この埋蔵金は国債の償還に使うことが法律で担保されています。ですから、今回の補正予算で国債償還以外に使う場合は、法律改正が必要です。
今回の補正予算で、「景気対策のために赤字国債は出しません。」と麻生総理がいばっても、将来の国債償還の財源をつまみ食いしているだけですから、結局は国債を出すのと同じことです。時間差がありますので、短期的には民間からお金を吸い上げないという効果はありますけれど、、、。
パパがサラ金で困っているのに、ママがへそくりでブランドのバッグを買ったり、高級レストランでランチを食べているようなものです。ほんとうは、ママのへそくりでパパのサラ金を返済した方がよいのです。
100年に一度の景気のショックなので、景気対策は必要ですが、その内容と財源は、国会でしっかり吟味していただきたいものです。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。