モリのアサガオ(全7巻)
死刑の是非を問う、シリアスな漫画です。これも、坂之上さん関係なのですが、ずいぶん前に、坂之上さんから、贈っていただきました。坂之上さんのブログで紹介があったので、メールでそのことを書いたら、「読みますか?」ということで、読み終わった本を下さると思い、「はい。」とお返事したら、アマゾンで新品を送っていただき、超恐縮。
全7巻なのですが、読み始めると、テーマの重さにがくぜんとして、1冊1冊、ぼちぼちと読みました。おもしろいのですが、あまりにも重いので、読後、気分が滅入るのですよ。
しかし、死刑の他にも脳死とか、倫理の問題は「党議拘束」がかからないので、政治家を志す者は正面から向き合うべきです。
ついに、今日、全7巻、読了。冤罪がある以上は死刑はよくないという考え方。復讐の連鎖を断ち切るためには死刑も必要という考え方。本書では、この二つの軸で、物語が展開されます。そして、死刑の執行が行われる際には、本人が反省し、罪を悔いているべきであるという作者の考え方が明確に打ち出されています。
同い年の野球少年であった二人が主人公です。一人は、死刑囚の息子で、刑務官になった若者。もう一人は、家族を殺された復讐を遂げ、死刑囚になった若者。葛藤を繰り返しながら、二人は親友になっていきます。
私は、法学部の学生の時には、被害者の遺族の気持ちを考えることと、犯罪抑止の観点から死刑もやむなしと考えていました。「モリのアサガオ」を読んで、「冤罪の可能性」の方に、重点をおくべきかもしれないと考え始めています。結論は、まだ出ませんが、じっくり考えようと思います。
読者の方にも読んでいただきたいので、あえて、結末は書きません。たかが、マンガと切り捨てないでください。日本のマンガの水準は世界一ですからね。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。