吉本興業(よし もっと きしもと)
今日は、吉本興業(株)の中井秀範執行役員・権利開発センター長と久しぶりにお目にかかりました。中井さんは(株)吉本音楽出版や(株)キャステイの社長さんでもあります。コンテンツビジネスの専門家です。
インターネットを使った映像配信の実験に関する最新情報を教えてもらいました。コンセントに差し込むだけで、電源とインターネットに同時に接続できるポータルを家電メーカーが共同開発し、今幕張メッセでやっているCEATEC(通信と放送、そして映像・情報・コンテンツの融合が進むデジタルネットワーク関連の展示会)で発表しているとのこと。経済産業省のバックアップもあり、それをやっていたのが、メディアコンテンツ課長時代の私の部下である境早稲田大学助教授です。
たいへん、便利な機械ですから、テレビモニターだけあれば、オンデマンドでいろんなコンテンツを見ることが可能になります。ところが、実験用の映像コンテンツの提供をお願いしても、なかなかテレビ局の協力は難しいようです。私も、課長時代苦労しましたが、電波の独占に守られているテレビ局は本当に保守的なところで、少しでも地上波テレビにマイナスになることには反対されました。
ブロードバンドインターネットが各家庭に入ったら、地上波テレビは今のような高収益を上げられないことが分かっているのに、古いビジネスモデルに固執しています。実は、新しいビジネスモデルを模索しているのですが、見つからないということでもあります。
今は、電波独占による強いテレビ局に対抗できるのは、自分で映像コンテンツを創り、インターネットテレビ局ももっている吉本興業さんであり、課長時代にはいつも一緒に仕事をさせてもらいました。
経済産業省時代の仕事で「自慢」できることが一つあります。吉本興業さんを日本経団連に入れたことです。エンターテインメント産業がこれからの日本経済の牽引車になるとの確信がありましたが、経済界の中では、「お笑い」の吉本さんは地位が低く見られます。経団連に入ることによって、時代の変化をメッセージとして送りたかったのです。
国際性があって、デジタルコンテンツで日本のトップを走る吉本興業さんの加入は経団連にとっても渡りに船。先代の林裕章社長にもすごく喜んでいただきました。生前、「漫才界から財界へ!」と笑いのネタにいつも使っていただき、そのおかげで、ずいぶんと林社長にはかわいがってもらいました。
この話を後援会の堀哲也さんにしたら、馬鹿受け!「よし もっと きしもと」というキャッチフレーズを創ってくれました。