リレー・フォー・ライフ・ジャパン2015わかやま

(リレー・ウオークに参加する岸本周平。)

 和歌山城公園で、今日から明日にかけて、「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2015わかやま」が開かれています。

 去年同様、今年もリレー・ウオークに参加しました。全国50か所で開催中。

 元はがん患者やそのご家族、ご遺族を励ますために米国の外科医が始めたイベントです。

 大勢の市民が参加して、24時間走ったり、歩いたり。

 飲食のブースも出て、楽しみながら啓発活動ができます。

(リレー・フォー・ライフ・ジャパン2015わかやま。)

 和歌山県のがんによる死亡率は、この10年間、常に全国でワースト10に入っています。

 和歌山県には、がんセンター病院がまだありません。

 県立和歌山医科大学を中心に、がんセンターをつくる動きがあり、私も応援しています。

 ワーストの悪い評価をひっくり返すには、何より、県民の意識を変えることが重要です。

 今日の夜には、500本の竹燈夜や100人応援メッセージの上映もあります。

 ぜひ、和歌山城砂の丸広場に来てみてください。

日本の林業政策を見直す―速水林業の視察

(民主党農林水産部門会議の林業視察。)

 民主党農林水産部門会議で森林・林業政策視察会を開催。

 5月18日(月)に、三重県尾鷲市の速水林業さんの大田賀山林に行ってきました。

 代表の速水亨さんの案内で、1000ha以上の規模で林業経営を行い、環境面からも最先端の水準を目指している現場を見てきました。

 今や、日本の林業は事業として成り立たないような厳しい経営状況の下にあります。そんな中で、民間企業として工夫をしながら効率化を追及するとともに、自然と共生する姿勢に感動しました。

 100から500ヘクタール規模の大きな林業家でも、その年間所得が20万円そこそこしかないことを皆さんご存知でしたか。 今から20年以上前は勤労者世帯と同様400万円から500万円だった所得が激減しているのです。

 ですから、多くの人が林業から離れています。

(速水林業の豊な森の中で。)

 そのため、民主党政権になった2009年、「森林・林業再生プラン」が決定されました。

 再生プランでは、2020年までに国産材の供給量を2倍にし、木材自給率を50%以上に引上げるという目標をかかげ、林業改革のため、路網の整備や森林集約化による生産性の向上、適切な間伐による収量の増大などの政策が打ち出されました。

 私自身、税制調査会の役員として、「林地の相続税納税猶予」の制度をつくる仕事をしたものですから、思い入れのある政策変更でした。

 速水さんによれば、再生プランは日本林業の転換点を示した点で評価できるが、個別には経営的な観点が欠けており、修正の余地はあるということでした。

 たとえば、住宅政策との連携がなく、間伐材を市場に出した結果、需給のバランスが崩れ、木材価格がさらに値下がりした点は大きな反省点です。

 また、再生プランは、採算性を考えずに、今の山の材を市場に出すことばかりに熱心でその後の育林については弱いとのこと。

 また、集約化の目標の50ヘクタールは中途半端。

 大規模製材所への流通を促進することは、地域の特色ある林業育成にはマイナスだし、何より価格決定の主導権が製材所側に移り、林業が成り立たなくなる傾向を助長しかねません。

 (林業の未来を語る速水亨代表)

 速水林業では、試行錯誤を繰り返し、徹底的なコストカットを行ってきました。

 同時に、「森は命の集合体」という哲学の下、短期の伐採で利益を上げるのでなく、広葉樹との共生や、豊かな土壌、生物の多様性を高めるために長期の伐採を目指してきました。

 さらに、国際的な森林認証制度である「FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)」認証を日本で初めて取得。FSCは環境保全のため違法伐採を止め、経済的にも持続的な森林管理を推進するための認証です。

  今や、米国やEUでは、違法に伐採された木材や木材製品を輸入、輸送、販売などをした場合、その認識が無くても罰せられます。先進国で、このような法律がないのは日本だけです。

 日本の林業政策は、民主党政権時代の検証も含め、抜本的に見直さなければなりません。

 今回の視察ではいろんなことを学ぶことができました。やはり、現場に行かないとわからないことが多いですね。

(速水亨著、「日本林業を立て直す」、日本経済新聞社、2012年8月)

400年続く和歌祭りに参加して

(和歌祭りの渡御行列)

 5月17日の日曜日は、素晴らしい晴天の下、1621年以来約400年の伝統を持つ和歌祭りが行われました。

 私は毎年、武者行列に参加しています。浪人中から参加を始めて、もう10年近く経ちました。

 渡御行列も和歌祭り保存会の皆さんのご努力で、年々、盛んになってきます。

 60種類の芸能と1000人以上の行列いなりました。もちろん、沿道のお客さんも増えてきました。

 徳川御三家の歴史と伝統の中で、江戸時代には日本三大祭りの一つであったお祭りです。

 地元の皆さんと一緒に和歌山市民の一人として、お祭りに参加できることは大きな誇りです。

(お神輿の威容。)

 1600年代初めという時代背景から、戦国の風を残した行列になっていますが、 「和歌祭」は天下泰平を祝し、祈願する平和の祭典です。

 渡御行列の芸技の種目のすべては「株」組織で構成されています。

 各「株」は家臣団が、名誉をかけて、その技術を代々、継承してきました。その「株」が連合して祭の行列となています。

 そこに無礼講として土地の人々の得意とする芸技集団が行列の後に続いており、和歌浦の庶民のお祭りにもなったものです。

(一緒に武者行列に参加したJR西日本和歌山支社の皆さんと。)

 ご覧の甲冑は、映画用の鎧と兜ですが、それでも30キロあります。

 真夏のような暑さの中、いささか熱中症気味になりましたが、沿道の皆さんに励まされ、楽しく歩くことができました。

 行列の最終盤に差し掛かると沿道のお店から、毎年、日本酒がふるまわれます。

 体が疲れていますと、一合くらいのお酒では酔いません。むしろ、疲れが取れてシャキッとなります。

 昔、合戦の時にお酒を飲んだ理由がわかります。

 大勢の和歌祭り応援団の皆さんのご厚意に感謝します。有難うございました。

農協改革の法案審議スタート!

(2015年5月14日衆議院本会議で答弁する岸本周平。)

 農協改革の国会審議が始まりました。

 政府案に対して、民主党の対案を国会に提出し、本会議で質疑。私は、法案提出責任者として、佐々木たかひろ議員の質問に答えました。

 政府案のJA全中の「監査権限の見直し」に関しては、直接農家所得の向上につながるものではありません。林農水大臣の答弁でも明らかにはなりませんでした。

 JA全中の見直しに関して、「中央会が単位農協の自由を縛っている。」と政府は何度もそのように改革の必要性を訴えてきました。

 ならばその事例を示して欲しい、私たちは何度も農水省に求めてきましたが、結局、そのような事例が示されることは全くありませんでした。

 いたずらに、制度いじりをすることで改革しているポーズを取っているに過ぎません。

 政府の農協改革案の問題点は、新自由主義的な考え方に基づいて、いわゆる「一億総株式会社化」を図るところにあります。

 規制をなくし、効率を追求すべき分野があることは当然です。大いに賛成です。

 しかし、たとえば教育や医療・福祉、なかんずく農業の分野は、何でもかんでも株式会社化して効率のみを追求すべきではありません。

 市場の暴走を止め、所得や資産の格差拡大に歯止めをかけるためにも、協同組合やNPO,NGOなどのいわゆる中間団体の活動が今こそ求められています。

(衆議院本会議で答弁する岸本周平。)

 私たちの法案では、今一度、協同組合としての農協の位置づけを明らかにしています。

 まず、農協法の総則を改正し、これまでの「農家のための農協」に加え、「地域のための農協」という役割についても、法律で明確に位置づけました。

 地域に着目したとき、農業者でない「準組合員」も組合の正当な一員と位置付けることが可能になります。

 また、協同組合の運営は、本来、組合員の自治に委ねられるべきものであります。行政が過度に関与したり、その改革が政府・与党の力任せに行われることともなれば、協同組合の本旨が歪められることになりかねません。

 そのため、国や地方自治体に、組合の自主性の尊重を求めるとともに、組合側にも政治的中立性の確保を求める内容となっています。

 さらに、農協そのものにも自己改革をしていただかなければなりません。そのため、都道府県の区域を超える農協や同じ地域内でも複数の農協の設立を可能にする確認規定を置きました。

 民主党としては、本法案と、すでに提出済みの農業者戸別所得補償法案及びふるさと維持3法案とを合わせ、農家の所得向上と営農を継続する体制の構築、日本の伝統・文化を継承する国の礎としての農村振興に取り組んでいきたいと考えています。

都市農業の振興のために

(農林水産委員会 で質問する岸本周平。)

 先般、都市農業振興基本法が成立しましたが、農水省はこれまで、都市農業に関しては、相対的に熱意がなかったと思います。

 食料・農業・農村基本計画でも、10行程度の言及に過ぎず、また、「農作業体験や交流の場」、「防災機能」など副次的な機能が強調され、本格的な農業振興への取り組みが見られません。

 それは、農水省の官僚は都市農業イコール「市街化区域内の農地」での農業をイメージしているからです。

 しかし、私の選挙区の和歌山市のように県庁所在市でも、中心市街地から車で10分も走れば、田園地帯がある地域でこそ、本格的な高収益の都市農業を振興すべきです。

 和歌山市では、ショウガや水菜、大根などの栽培によって、認定農業者として高い所得を得ている農家が続々と生まれています。

 6次産業化に成功している地元のJAわかやまのヒット商品「生しぼりジンジャーエール」も名産のショウガを使っています。

 ここでは、振興基本法の第2条で定義されている通り、「都市農業」とは市街地及びその周辺の地域において行われる農業と考えて議論を進めます。

 振興基本法第13条には、的確な土地利用に関する計画の策定等のための施策がうたわれていますが、これまで、ゾーニングの適正な措置、運用について農水省として、国土交通省との連携も十分ではありませんでした。

 そのため、都市周辺のスプロール化が進み、まとまった農地が消失し、また水田の保水機能が衰え、洪水の被害なども増加しています。今からでも遅くないので、厳しいゾーニングにより、都市農業を守るべきです。

 また、基本計画等で、農業経営の法人化や、企業の農協参入を推進する立場を取っておきながら、農水省関係の法人税制上の施策がまったく充実してません。

 特定農産加工品生産設備等の特別償却、農業経営基盤強化準備金、農用地を取得した場合の課税の特例など、今ある租税特別措置の利用も不十分です(租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書)。

 振興基本法第14条で、必要な税制上の措置を講ずる旨が規定されています。

 たとえば、意欲的な農業者からは、相続税の納税猶予を受けている農地を借りることができないかという声が出されています。このような要望を踏まえ、相続税の納税猶予を受けている都市農地についても貸借を認めるような改正をただちに行うべきです。

(5月13日の農水員会での質疑の模様。)

 振興基本法第21条には関係省庁の連携協力がうたわれています。

 冬場の都市農業にとっての課題は水の確保です。水利組合との調整や河川管理者の無理解により、現場では困っている事例が多く、都市農業における農業用水問題に関して農水省は早急に対策を講じなければなりません。

 河川管理の国土交通省との連携協力を求めます。

 振興基本法第16条には、「高齢者、障害者等の福祉を目的とする都市農業の活用の推進」という表現があります。

 たとえば、愛媛県松山市で、佐伯康人さんが経営している(株)パーソナルアシスタント青空は農業を障害者の働く場として活用し、成功している事例の一つです。

 自然農業を推進している「奇跡のりんご」の木村秋則さんに師事し、無農薬、無肥料の自然栽培で成功しています。都市地域での農福連携に関するヒントがここにあります。

 農水省の上から目線の指導ではなく、民間の成功事例を縁の下で応援するような形で、都市農地を活用し、農福連携を積極的に進めるべきです。

 農協改革に関して、私たちは対案を国会に提出していますが、農協を地域の協同組合として再定義する提案をしています。

 地域の住民の理解があって、一緒に街づくり、地域起こしをしていくことが重要です。

 都市農業の振興も、都市住民の理解と協力が不可欠です。振興基本法第18条でもそのことが強調されています。

 都市農業振興基本法の成立を契機に、地産地消、新鮮で安心な農産物の供給、防災や良好な景観の維持の観点など都市農業の多様性を生かしつつ、特色ある主業農家の経営が可能になるよう努力を続けます。 

農林水産委員会 質問に立ちます!

5月13日(水)午前10時25分ー午前11時10分 の45分間

《農林水産関係の基本施策》に関して、質問に立ちます。

下記の衆議院インターネット中継TVで、質疑の様子がご覧頂けます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp

わかやまマジカル・ミュージックツアー

5月10日の日曜日、第10回の「わかやまマジカルミュージックツアー」が和歌山市内で開催されました。

昼夜合わせて200組の地元アーテイストが参加。今回は、田辺市ともコラボしましたので、昼間のイベントだけで2万人以上の人出がありました。五月晴れの下、素晴らしい屋外イベントになりました。

和歌山市内は和歌山城や県立近代美術館など11会場。

夜の部は、和歌山市内の14のライブハウスで開催。1枚1000円の共通チケットで全会場に入れます。

(社会福祉法人つわぶき会を応援するグループの演奏。)

今年で10回目の記念のイベントなので、市民でつくる実行委員会のメンバーも張り切って準備をされました。

和歌山県が助成してくれた上、寄付も集まり、2万人を集めるビッグイベントになり、大成功。

関係者の皆さまのご活躍には、ただただ頭が下がります。

来年も、音楽で、和歌山を盛り上げてくださいね。

(夜の部で絶唱する岩橋秀樹さん。)

マイナンバー(社会保障・税番号)がスタートします。

(マイナンバーの解説書。岸本周平も紙上討論会に参加。)

 今年の10月、マイナンバー(社会保障・税番号)が皆さんのところに届きます。

 マイナンバーは、紙の通知カードに12桁の番号として記されています。運転免許証やパスポートなどの写真入りの証明書と一緒に使えば、そのままマイナンバーカードとして利用が可能になります。

 その通知カードを市役所の窓口に持って行けば、無料で写真入りで、住所、氏名、住所、生年月日が書かれたICチップ入りのマイナンバーカードと交換してくれます。

 この番号は、税金関係、年金などの社会福祉関係、住民票などと連動し、これまでやっかいだった役所での届け出手続きなどを、書類不要の簡単なものにするためのものです。

 来年の1月から使用可能になります。ただし、地方自治体間の情報交換が行われるのは2017年7月からなので、本当に便利になるのはそこからです。

 また、17年の1月からは、「マイポータル」と言うサイトがオープンし、自分の番号をどの役所がいつ使っているかもチェックできるようになります。

 とは言え、まずは、税務や年金業務からスタートです。それでも、マイナンバーが普及すれば、いわゆる「消えた年金」などの問題は発生しません。確実に社会保障の給付が受けられ、税務上の不公平も正されます。

 北欧や、米国、韓国などでもごく普通に使われている個人番号ですが、日本での導入が遅れたのには訳があります。

 一つには、数十年前に導入が計画され、法律まで通りながら失敗した「グリーンカード」のトラウマです。貯金通帳の名寄せが可能になるグリーンカードが、自民党の反対で実施不可能になったため、政府がその後、資産の把握に役立つ制度設計をおそれるようになりました。

 また、プライバシーの保護を強く主張する陣営から反発を受け、その後つくられた「住民基本台帳カード」も使い勝手が悪く、利用者がほとんどいない情況です。

 今から、30年近く前に、政府税制調査会に「納税者番号検討小委員会」が設けられ、そろりそろりと個人番号制の議論を再開したのです。その時の主税局の担当課長補佐が私でした。

 それから、国会議員としてマイナンバー法案に関わり、民主党政権で実務責任者として与野党の修正協議をさせていただいたのは、不思議な縁だとしか思えません。

 結局、2012年冬の解散総選挙で、法案は廃案。翌2013年、与野党逆転しましたが、さらに修正を重ね、法案を可決できました。まさに、民主党の実務責任者として感無量でした。

 しかし、本当に使いやすいカードにするためには、健康保険証も取り入れ、医療情報を扱ったり、ICチップの空き容量で民間利用を促進する必要があります。

 医療情報が一元化できれば、薬の無駄だけでも2兆円程度の節約ができると言われています。

 会社は、所得税の源泉徴収がありますので、社員のマイナンバーを集めなければなりません。民間利用としては、まず社員証に使えます。

 クレジットカードも載せられますし、電気、水道、ガスなどのサービスを一緒にすれば、引っ越しの手続きがワンストップで済んでしまいます。

 近い将来、そのような社会が実現できます。

 ただし、成りすましのリスクや番号漏出のリスクは最小限に抑える工夫が重要です。システム開発には相当な予算を使っています。もちろん、ITの世界はいたちごっこなので、常に最新の技術でアップデートしなければなりません。
 
 今国会で、個人情報保護法も強化されます。

 ぜひ、マイナンバー制度に関心をもって、上手に使っていただくとともに政府の動向も、しっかりとチェックしていただくようお願いします。

和歌山県戦没者追悼式

(和歌山県戦没者追悼式で、御霊に捧げる合唱曲by和歌山児童合唱団。)

  5月5日(火)は、和歌山県戦没者追悼の日でした。

 式典は、午前9時半から、まず和歌山県仏教会主催のものが忠霊塔で催行されました。

 その後、県民文化会館では県庁主催の宗教色のない式典が行われ、献花してまいりました。

 献花の後、和歌山児童合唱団が戦没者の御霊をおなぐさめするため、春夏秋冬の唱歌を合唱。

 そして、会場の参加者全員で「ふるさと」を合唱しました。ご遺族の皆さんも親しい戦没者のことを思い出しながら熱唱されていました。素晴らしい企画だなあと思いました。

(和歌山県仏教会主催戦没者追悼式会場の忠霊塔。)

 午後からは、和歌山県護国神社での春季例大祭で戦没者の追悼が行われました。

 雲一つ無い五月晴れの下、二度と戦争を起こさず、日本の平和を守ることを戦没者の御霊にお誓いしました。

 そのためにこそ、戦後70年積み上げた成熟した民主主義と立憲主義を大切にしなければなりません。

 自民党政権時代、何十年も守られてきた憲法解釈を、国会審議もなく、一内閣の閣議決定で覆すような乱暴なことがまかり通る世の中にしてはいけません。

 極東の安全保障環境が変化したと言うなら、正々堂々と憲法を改正するのが筋だと思います。

(和歌山県護国神社)

TPP交渉の行方@ワシントンD.C.

(ワシントンのシンクタンク CSIS:戦略国際問題研究所)

 TPPの動向に関して、ワシントン滞在中に、国会議員同士の情報交換に加え、旧知のシンクタンクの研究者や国務省などの関係者などにも取材しました。

 まず、オバマ大統領に対して貿易促進の権限を与えるTPA法案の行方に関しては、見方が大きく割れていました。

 TPA法案は、一昔前にはファースト・トラック法案と呼ばれました。米国憲法上、貿易交渉の権限は議会にも与えられていますので、政府間の取り決めについて、いちいち議会で修正していると交渉が複雑になります。

 そこで、交渉権を一括して大統領に与え、議会は、その内容に賛成か反対かの意思表明だけをするというのがファースト・トラックの意味です。

 最近では、米韓FTA交渉の際に、TPA法案が成立しています。

 今回、TPA法案は既に、上院の財政委員会と下院の歳入委員会で可決されています。

 オバマ大統領はTPAを歴史的な業績にするために努力していますが、足元の民主党は、従来から自由貿易には反対の立場です。一方、共和党は伝統的に自由貿易推進が党是です。

 今回も、その意味ではねじれており、共和党が賛成、民主党が反対の立場です。上下院の委員会でも、共和党議員は全員賛成、民主党議員は上院で7人が賛成、下院では2人だけが賛成。

 議会筋の票読みでは、下院でTPA法案が可決されるためには、共和党の一定の賛成を前提に、民主党の賛成票が12~17必要だが、どうも難しいのではないかと言われていました。

 国務省筋では、もう少し楽観的な見通しをしていました。

 巷間流布されている票読み自体が、議会対大統領府の駆け引きの道具かもしれませんので、何とも言えません。ただし、TPAが通らなければ、交渉の最終決定は難かしくなります。

 その一方で、TPP交渉の方は、着々と進んでいます。

 国家安全保障会議のアトキンソン次席補佐官によれば、米国産のコメの輸入枠と日本製自動車部品の関税撤廃問題以外は、日米二国間協議がまとまっているようです。

 TPAによる権限が大統領に与えられれば、お互いに最後のカードが出せるわけですから、交渉妥結のタイミングも遠くないと思われます。

 ただし、日本の側からすれば、農産物に関しては、衆参の農水委員会での決議があり、コメ、豚肉、牛肉など重要5品目に関しては、大幅な妥協は許されません。

 しかし、米国の議員は一定の守秘義務の中で、TPP交渉の情報が得られますが、日本の国会はそうなっていません。

(「TPP等通商交渉情報公開法案」を国会に提出した後の記者会見の模様)

 そのため、ネクスト農水大臣として、連休前に維新の党と協同提案で、TPPなど重要な通商交渉における情報公開法案を提出しました。

 内閣府が、米国並みの情報公開について前向きに検討を始めるというコメントを、今日発表したことは評価できます。

 連休明けに、その検討状況の内容とスピードに関してチェックします。

 今月末の23日、24日の開催されるAPEC貿易相会議の場で、TPP閣僚会議が開催され、基本合意がなされる可能性もあります。

 国益をかけて行われるTPPの交渉に関して、国民の皆さんとできる限り情報を共有して、立法府としてきちんとした対応ができるよう努力します。