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2017年9月3日

アベノミクスの罪は重い

アベノミクスとは何だったのか。

日本銀行が毎年、国債を80兆円買い増すことで、国民の期待に働きかけて物価2%引上げを目指しましたが、今でも物価はプラスマイナスゼロ。

あげくの果てに、マイナス金利まで導入しても、銀行の収益を悪化させただけ。

さらに、年金基金(GPIF)の運用ルールを変えて、リスク資産の株式の割合を25%から50%に引上げ、これまでに36兆円の資金を東京証券取引所に投入。

また、先進国では例を見ないことですが、日銀に毎年6兆円の株を買わせて、すでに東証に17兆円を投入。

ユニクロの筆頭株主は日銀というブラックジョークのような状態で、上場企業の4分の1は日銀とGPIFが筆頭株主です。

国債は、満期になれば、何もしなくても現金になります。株は売らなければ日銀の帳簿に残ったままです。とんでもないバブルでも起きない限り、日銀が株を売るそぶりを見せただけで、株価は暴落します。そして、来年も6兆円買い続けることになります。

株価を支えている53兆円の公的資金がなければ、株価は1万2、3千円程度と言われています。今、外交人投資家は売り越し、日銀だけが買い越し。日本国民の負担で盗人に追い銭を与えているようなものです。

一方、これは上手な選挙対策でもあります。金融資産、有価証券の7割は65歳以上の高齢者が持っています。アベノミクスで最大の恩恵をこうむるこの世代は投票率も高く、安倍内閣の高支持率の原動力です。

しかし、こんなゆがんだ経済政策が長続きするわけはありません。銀行の不動産業への融資残高はバブル期を超え、土地もバブル崩壊のおそれがあります。

一日も早く、正気の経済政策に変えなければなりません。それとて、急なブレーキは踏めないくらい市場がゆがんでいますから、徐々に賢明なかじ取りが必要です。アベノミクスの罪は重いと言わざるを得ません。

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