熊本の農林水産業の復興状況
衆議院農林水産委員会で熊本の農業関係の復興状況の視察に行ってきました。
熊本地震では、死者75人、行方不明1人、重軽傷者1887人。全壊8293棟、半壊2万5855棟、一部損壊12万293棟の大きな被害が出ました。
農林水産業の被害総額は熊本、大分、宮崎などの7県で1491億円んも上っています。
まず、大津町大菊地区の土地改良施設の被害状況を視察。
水路の復旧ができない所では水稲栽培ができませんから、大豆に転換して収入の確保を図っているとのことでした。
西原村の大川牧場では、1m以上地盤沈下した現地での牧場再開に向けて資金面での不安な状況をお聞きしました。
30頭ほど飼っていた牛は6頭を北海道の牧場に預け、残りは売却と廃用。
搾乳機が無事だったので、牛舎を補修して再開するとのことですが、本来酪農クラスター制度を使って、共同施設にした方が合理的かもしれません。
しかし、それでは時間がかかり過ぎて、現金収入ゼロの状態が長くなります。一日も早く、収入を得たいということでした。
資金は補助金と公庫融資になりますが、1億円近い規模になりそうです。
甲佐町の清住フラワーファームでは、16棟のハウスでカーネーションやシクラメンなどの花卉栽培をされていました。
早急にハウスの建替えをしたくても、東北などの復興需要のため民間業者が手当てできない状況で困っているとのこと。
政府も熊本県も迅速に対応できているのですが、いたるところにミスマッチがあり、これからが正念場です。
それでも、関係者の復興への意欲は力強くて、勇気づけられました。
その後、民設民営の(株)熊本卸売市場の復旧状況も視察。
こちらも国の助成措置を使って建替える計画です。
樺島郁夫熊本県知事との意見交換をして帰京しました。
樺島知事からは、単なる復旧、復興ではなく、農地の大区画化や、農業法人化、共同利用施設の再編統合などの「創造的復興」を目指したいとのお話をいただきました。
秋の臨時国会では、しっかりと農林水産委員会でフォローしていきます。