2016年7月1日
英国のEU離脱で、なぜ景気対策が必要なのか?
英国のEU離脱が決まってから、円高、株安の状態が続いています。
株式市場は、冷静さを取り戻した様子ですが、為替は引き続き102円近辺の円高です。
このような状況で、円高対策として大型の財政バラマキ政策を求める声が自民党から出ています。
目先の経済成長率を稼ぐだけのために、借金をして公共事業をするのが円高対策なのでしょうか。
輸出企業が円高で困るというのなら、内部留保に回った円安の時の利益を使うだけのことです。企業は、自己防衛の手段を持っています。
円高で輸入物価が下がりますから、物価も下がり、ようやく実質賃金のマイナスに歯止めがかかります。個人消費にとってはプラスです。
2015年度は、剰余金が1.6兆円、税収上振れが1.9兆円あり、その財源3.3兆円を使った経済対策を行いました。それでも、消費税引上げ再延期をせざるを得ないほど国内景気は振るいません。
カンフル剤はやめて、むしろ3.3兆円は借金返済に回したほうが、財政安定に寄与し、国民の将来不安をぬぐえたのではないかとは思います。
しかし、今年度は、剰余金はわずかに2500億円、税収の上振れは見込めません。
巷間言われている、10~20兆円の経済対策の原資は国債、つまり借金ということになります。
この上、借金を増やしてGDPをその分だけ上積みしても、潜在成長力は上がりません。
そろそろ、目をさます時期に来たのではないでしょうか。