パキスタンにおけるポリオ撲滅プログラム
超党派のポリオ撲滅議員連盟の視察でパキスタンに来ています。
ポリオの発症は、今やパキスタンとアフガニスタンの2国となりました。
これまで、日本政府はポリオ撲滅のためにパキスタンにODAを供与してきました。特に、2011年度、円借款約50億円(ゲイツ財団とのローン・コンバージョン)、昨年度は無償資金協力約6億円の協力を実施。
しかし、アフガニスタン国境地域での治安の悪化、対テロ軍事作戦などの影響で、2014年に306件の発症(2013年93件)と情況が悪化しました。
WHOが緊急事態宣言をしたことに加え、パキスタン政府もシャリフ首相のリーダーシップの下、2016年5月までのポリオ感染遮断を目標に国家緊急行動計画を実施しています。
今回、ポリオ撲滅議員連盟は更なる日本政府の貢献の道を探るために、視察団を派遣。私も事務局次長の立場で参加しています。
初日の10月13日はパキスタン政府の緊急オペレーションセンターで、ユニセフ、世界保健機構などのポリオ撲滅実施機関とのミーティング。
施設内のポリオワクチンの冷蔵保管倉庫も見学。
ポリオ実施機関のブリーフィングを終えた後、地域一斉予防接種のキャンペーンサイトを視察。
スラム地区での戸別訪問によるワクチン接種や、バスターミナルでのワクチン接種の現場に行きました。
小規模の医療施設でのワクチン投与に立ち会い、私も順番待ちの赤ちゃんにワクチンを投与させていただきました。
同行の渋谷健司教授から、「先生の予防接種で、この子はポリオにかかりません。」とのお言葉をいただき、感謝します。
現場で学ぶことは多いですし、プログラム実施の難しさを肌で感じることができます。それでも、子ども達の笑顔には救われます。
ポリオ撲滅のための努力は惜しみません。
そのためには、パキスタン政府の施策の中で、フロントラインでの活動家をどう支援して行くのか。
最近の20ヶ月で80人もの活動家が殺されています。
おそらく、きめ細かな無償資金協力で、ユニセフの活動などを応援する道が重要です。
また、ポリオ撲滅の先にあるパキスタンの公衆衛生の向上に貢献することを約束したいと思います。