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2014年9月10日

非正規雇用の問題にどう向き合うのか?

(民主党「全国非正規雇用対策担当者会議」の模様。)

 非正規雇用の実態は、おおむね次のようなものです。

 総務省の調査(2014年3月)では、雇用労働者数5541万人の内、非正規の方は1964万
人(男性:632万人、女性:1332万人)で全体の約4割。

 一方、労働条件を比べると、正規労働者との比較では給与水準が約62%(厚労省2012
年調査)、また、健康保険や厚生年金の適用は約半分(厚労省2010年調査)にすぎませ
ん。

 そして、非正規での働き方が不本意な労働者の割合は、契約社員で約34%、派遣で約
45%、パートタイムで約16%となっています。

 ひと昔前は、専業主婦のパートや学生のアルバイトなどの補助的な収入源とされてい
た非正規の働き方が、全体の勤労者の4割に達したことから、シングルマザーなどのひ
とり親家庭や、女性の貧困、子どもの貧困問題に大きな影響を与えています。

 これまでは、年功序列賃金、終身雇用という男性片働きのシステムの下で、教育や住宅などの社会福祉が家族手当など、企業の福利厚生の負担となっていました。

 日本企業にそのゆとりがなくなり、正社員ですら、年功序列賃金、終身雇用という枠
組みがなくなり、非正規雇用も増加しました。

 子育てにお金がかかるのならば、それは企業ではなく、政府が本来負担すべきもので
す。

 ヨーロッパでは、「同一労働同一賃金」の原則の下で、非正規でも社会保険が適用さ
れ、賃金も正規との差はありません。

 ただし、職務に対する賃金ですから、年齢には比例しません。だからこそ、大学まで
含め教育は無料であり政府が子育てを支援しているのです。

 これからの日本は、非正規の働き方を正規の転換することも重要ですが、同じように
、非正規の働き方でも、「同一労働同一賃金」が約束され、社会保険が適用されるよう
に労働条件を改善することが求められます。

 もちろん、その際には、企業による福祉から政府による福祉、社会全体での子育て
の仕組みが導入されなければなりません。子ども手当や、高校の授業料無償化に加え、
保育所の充実、給付型奨学金のようなユニバーサルな政策、チルドレン・ファーストの
政策が求められます。

 一方で、現実は、非正規の労働者の多くは年収が200万円以下であり、また、ひとり親家
庭の半分が貧困状態であり、悲鳴が聞こえてきます。

 大きな制度改正の努力と同時に、地域の現場で、彼ら彼女らの声に応える運動が必須
です。

 そこで、民主党は、それぞれの地域の現場でNPO法人や連合の地方組織、労働金庫、
労災をカバーする労働者福祉協議会などと連携し、電話相談や就職支援活動などに取り
組むことを決めました。

 私は、党の「非正規雇用対策本部」の事務局次長として、これまで積極的にかかわっ
てきました。本日も、「全国非正規雇用対策担当者会議」を開催し、会議の進行役を務
めました。

 安倍内閣では軽視されている政策課題を私たちで、国民運動として取り組みます。

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