政権奪回のシナリオ!
今なら、冗談のように聞こえるかもしれませんが、民主党の政権奪回のタイミングをどのように考えるべきでしょうか。
政治は可能性のゲームです。政権獲得の意欲を失った政党に存在意義はありません。
現在、民主党の衆議院の議席は55です。これでは、風が吹いても、次の総選挙で480議席の過半数240の議席獲得は無理です。
2009年の総選挙、民主党は2005年の113議席から308議席となり政権を取りました。
2012年の総選挙、自民党は2009年の119議席から294議席となり政権を奪い返しました。
つまり、三桁、100以上の議席数さえ有れば、小選挙区の戦いでは、過半数の議席を取る可能性があるのです。
従って、民主党にとって、次回の総選挙は100以上の議席を目指す選挙です。今、現職55人、公認候補75人の計130人しか小選挙区の候補者を立てていないのは、そのためです。
170の小選挙区が空いています。正直に言うと、実際に、候補者が立てられない事情もあります。
しかし、みんなの党のみならず、日本維新の会にも結いの党にも、個人的には穏健な中道保守の政治家がいます。
政党間の選挙協力よりも、一本釣りで彼ら、彼女らを民主党公認にすれば、150人から180人の候補者が立てられます。
選挙直前になれば、他の野党は動揺します。なぜなら、民主党以外のほとんどの野党政治家は比例復活組で、選挙基盤は弱いのです。
しかも、民主党には100億円の選挙積立金があります。逆に、他の野党はできたばかりで、資金面に不安があります。一本釣りが可能な理由です。
そうして、穏健な中道保守政党の民主党が100以上の議席を獲得できれば、その次の総選挙で過半数の議席獲得を目指すことが可能になります。
つまり、2020年の東京オリンピックまでに政権を取り戻すつもりなら、今、焦って、理念のない野党再編などにコミットする必要はありません。
さあ、それでは、東京オリンピックの時の首相は誰でしょうか?
東京オリンピックの時の、民主党の首相は、皆さんがまだ名前も聞いたことのない若手が抜擢されているでしょう。これから後6年も先の話ですから。
もちろん、今から、政党として次代のリーダーを育てることが重要です。
英国労働党の歴史が参考になります。
18年間、野党暮らしを強いられた英国労働党が、ブレアやブラウンという若手政治家に党の未来を託し、「経済成長と社会の公正」の両立という「第三の道」を掲げ政権を奪回する過程は示唆に富んでいます。
政党として、労働組合の党内権力基盤を切り崩すガバナンス改革、community solidarity(コミュニティの連帯)を掲げる党綱領の変更などを成し遂げたことが政権をもたらしました。
政治は、所詮「権力闘争」です。そのことを民主党の政治家はよく理解していなかった。だから、政権与党なのに分裂してしまいました。
しかし、政治には理念や理想も重要なのです。
経済成長と社会の公正の両立を実現することを目指す、そして戦後の成熟した民主主義を守り、憲法の平和主義に基づく、ハト派の穏健な中道保守の政党として、民主党が生まれ変わることが重要です。