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2014年7月11日

民主党が自民党に学ぶべきこと!ーその2

(後藤謙次著「崩壊する55年体制」 (ドキュメント 平成政治史 第1巻」、岩波書店、2014年4月)

 自民党に学ぶことの二つ目は、何と言っても、政権へのあくなき執念です。

 前回ご紹介した「自民党政治の変容」は中北浩爾先生という政治学者のご著書でしたが、共同通信社の政治部記者歴32年のベテランジャーナリスト後藤謙次さんの「崩壊する55年体制 」(ドキュメント 平成政治史 第1巻」、岩波書店、2014年4月)には政界の生々しい権力闘争の姿が描かれています。

 本書は竹下内閣から始まり、橋本内閣までが取り上げられていますが、細川内閣、羽田内閣と自民党が下野した段階から、自社さ連立の村山内閣が誕生するまでの政治ドラマが参考になります。

 その間、中選挙区から小選挙区比例代表並立制の選挙制度改革が実現して行く過程もあり、手に汗握る権力の争奪ゲームが行われました。

 後藤さんの膨大な取材メモや取材記録からの政治家の肉声が心に響きます。

 私は、当時、霞ヶ関から永田町を見ており、場面、場面でいろんな政治家の身近にもいましたが、やはり、霞ヶ関の一官僚としては、政治のダイナミズムはわかっていませんでしたね。

 自社さ政権ができていく背景には、中北先生の言う自民党のリベラル化がありましたが、何より、政治家同士の人間的な関係が推進力になった過程が、後藤さんの筆により、ビビッドに描かれています。

 「自社の国対委員長同士として信頼関係を確立していた村山富市と梶山静六」、「若き警察官僚として鳥取県に赴任した亀井静香と当時の鳥取県議だった、、野坂浩賢」などのパイプがあっての自社さ政権樹立でした。

 その反対側には、二つの非自民政権を支えた小沢一郎の政治手腕の具体的な成功と失敗の歴史もありました。

 結局、当時の政治改革派、細川、羽田政権側よりも、守旧派と目された自民党の方が、政権への執念が勝っていたということではないでしょうか。

 2009年に政権を取った民主党には、その執念が希薄であったと思います。政権交代を本気で目指していたことに疑いはありません。しかし、ある意味、自民党の自滅のような形で転がり込んできた政権だったので、与党としての政治権力への飽くなき執着心が欠けていたようです。

 また、当時はめまぐるしい政党の離合集散が行われていました。

 さきがけ、日本新党、新生党、新進党くらいは、まだ大勢の方が覚えておられるでしょうが、新党友愛、フロムファイブ、国民の声、太陽党、民政党などは誰も覚えていないはずです。

 その後、1998年に、それらの流れが一本化され、今の民主党につながっていきました。

 現在の民主党の幹部には、当時、これらの離合集散の過程に身を置いて、修羅場をくぐってきた経験者がたくさんいます。

 今、野党再編が取りざたされていますが、およそ理念が異なる政党同士が一緒になることは私には理解できません。

 しかし、当時の政党再編の時代を生き延びてきた先輩議員の方々が、一条の光を求めて可能性のゲームに言及されることにシンパシーを感じることはできます。

 私自身は、民主中道、穏健保守の立場で動かず、右往左往するつもりはありません。しかし、確かに、政治は可能性のゲームです。後藤さんの「崩壊する55年体制」には多くを教えていただきました。ドキュメント平成政治史の第2巻、第3巻を読むのが楽しみです。

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