「降りてゆく生き方」とはどんな生き方なのか?
(製作総指揮の森田貴英さんの司会で、主演の武田鉄矢さんのスピーチ@寺田本家。)
映画「降りてゆく生き方」をご覧になった方、何人いますか?
監督:倉貫健二郎、 脚本:森田貴英、倉貫健二郎、製作総指揮:森田貴英。配役は主演武田鉄矢の他、沢田雅美、渡辺裕之、苅谷俊介、石田えりなどです。
武田鉄矢さんが演じる主人公は、外資系ファンドの窓際社員。ラストチャンスで、ある過疎の田舎の土地を買収し、リゾート開発をする責任者に。
そして、腐敗した市長と癒着し、村人をだまし、着実に成果を上げていきます。
しかし、大学の同級生が本物の日本酒を作ろうとしていたことや、無農薬無肥料の自然栽培のコメを作っている農家に出会う中で、最後は会社の方針に背き、村を守ります。
そのため、市長選挙に立候補した同級生の息子を応援し、腐敗した市長に勝ちます。
これまでの強欲な資本主義への疑い、自然栽培の農業や、酒造りに大事な発酵の本質に触れる中で、「足し算的な上昇志向」だけの人生を捨て、「降りてゆく生き方」を選択するプロセスが描かれます。
製作総指揮の森田貴英さんの方針で、劇場での上映は一切行なわず、DVDも発売していません。自主上映会をしてくれる方々にのみ上映してもらうというやり方です。
なので、観てない方が多いはずです。しかし、口コミだけで評判が広まり、全国上映の回数はすでに300回以上。
この週末、6月21日(土)、22日(日)の二日間、千葉の下総神崎で5周年の記念上映会とトークセッションが行われました。
(武田鉄矢さんはじめ、「降りてゆく生き方」の聖者の皆さんのトークショー。)
森田さんは弁護士で、私が経済産業省のメディアコンテンツ課長時代以来の友人です。この映画の上映会にいつも誘われていたのですが、週末が多くて地元日程が調整できず、今回初めて観せてもらいました。
金曜日の晩から、下総神崎にある、映画のモデルになった造り酒屋「寺田本家」に集合、主演の武田鉄矢さんはじめ関係者と合宿のような感じでイベントがスタート。
翌日のトークショーには私も出演させていただきました。
森田さんたち、製作陣が全国を廻り取材した人々の生きざまを基に脚本が作り上げられたのですが、その対象の「奇跡のりんご」を作った木村秋則さんや、「べてるの家」の向谷地生良さんはじめ、「降りてゆく生き方」の聖者のような皆さんが集結。
ほんとうに、異様な時空間に身を置くことになりました。
この異常な体験は、一言では語れませんが、イベントの隠されたテーマは「発酵」であり、自然栽培農法や障がい者の皆さんとの共生などを実践しているメンバーとの出会いは刺激的でした。
ぜひ、一人でも多くの方にこの映画を観ていただいて、自分の「降りてゆく生き方」を考えていただきたいと思います。
映画の「コンセプト」について、森田さんたちの考えをまず読んでみてください。